実は、ケータイを与えていなくとも、親の知らない間に子どもがインターネット利用をしていたというケースが多数あるというのだ。
それって、どういうこと? 「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」の高橋大洋さんは、子どものネット利用の「実態」について、次のように説明する。
「ここ数年、小学生の多くが持っているニンテンドー3DSが、実質的な子どものインターネットデビュー機器になっています。ほかにも、保護者の使い古し(契約切れ)のスマートフォン(以下、スマホ)を子どもに使わせている家庭も少なくありません」(高橋さん 以下同)
インターネットに疎いお母さんなどには、「インターネット=PCやケータイ、スマホ」と思い込んでいる人も多い。しかし、実はケータイやスマホがなくてもインターネットはできる。
ゲーム機や学習用タブレット、音楽プレイヤーなど、「無線LAN(Wi-Fi)経由でインターネットに接続するもの」はいろいろある。そうした機器で子どもが勝手にネットをしていたというケースは、多数あるそう。
「最近の子ども向けの情報機器の多くには、『保護者管理機能』が提供されています。どの程度の機能制限が可能なのか購入前に調べておき、子どもの発達段階に応じた設定をしてから使わせましょう」
例えば、情報機器にインターネットの利用をオフにできる機能があるのに、お母さんたちにはそれがわからない。あるいは、それを管理していないことから、子どもが勝手にインターネットを利用することもあるそう。
「情報機器は、プレゼントとして子どもに与えることは避け、保護者の所有物として貸し与える方法も有効です。『貸してあげるから、自由に使っても良いよ。ただし、ときどき返してね』という約束をし、暗証番号などは必ず保護者に申告してもらうと良いでしょう」
子どもがケータイを持つことで起こるトラブルはもちろんある。でも、「ケータイを与えなければ安心」と思い込んでいる人は、他にもインターネットの入口がいろいろあることをお忘れなく。
(田幸和歌子+ノオト)