出産後の心の不安、どう解決すれば?

出産後の心の不安、どう解決すれば?

第4回 心の不調とどう向き合う?
男性に比べ女性に多く見られる「うつ病」。妊娠中や産後に、「何をするのも億くう」「育児が負担で仕方がない」「眠れない」「食欲がない」「涙もろい」「怒りっぽい」といった状態におちいるプレママや新ママは少なくない。

こういった症状が気になり出したら、まずは心療内科などでカウンセリングを受けてみよう。ただし、「軽度の心の不調なら病院での治療以外にも症状を軽減できる可能性がある」と心療内科みゆきクリニックの塙(はなわ)美由貴先生はいう。そのアプローチ法とは?

「女性の場合、出産にまつわるライフイベントによって、環境や役割が変わり“心の不安”を引き起こしやすいとされます。この場合、まずは夫、それから自分の母親や友人、それから近所のおばさんなど、周囲のサポートが大切。実際、『妊娠うつ』や『産後うつ』と診断された場合、家族や周囲がその状態を否定せず、優しく受け入れてあげることで、症状が改善に向かう場合があります」(以下 塙先生)

また、あまり自分を責めすぎないのも心の安定を保つ秘けつだそう。

出産後の心の不安、どう解決すれば?

「例えば、子どもの夜泣きがどうやっても止まないケース。こういった場合、自分を責めてしまう女性が多いですが、そんなに深刻になる必要はないんですよ。赤ちゃんは言葉を理解していませんし、そもそも最初から母親業をうまくできないのは当然だという気持ちでいいんです。『ほかの人はうまくやっているのに自分はできない…』と思うかもしれませんが、実際はみんなイラッとしたり、周りに協力したりしてもらっているものですよ」

さらに、「母親は子どもを無条件に愛して当然」という前提から解放されるべき」と、塙先生は主張します。

「『寝た子のかわいさ、おきて泣く子のねんころろ、つらにくさ』という子守唄があるように、子どもが大泣きすると、自分の子どもに対してイライラするのは普通の感覚。“母親失格”だなんて思う必要はありません」

どうしても心が晴れないときは、簡単な運動を取り入れるのがオススメ。筋肉を動かすと睡眠の質が上がるためだ。朝、太陽の光を浴びると精神の安定に効果のあるホルモン合成のスイッチが入ることもあり、午前中のウォーキングなどは、妊娠中や産後、育児中における“うつ症状”の予防・改善に効果的なのだとか。

これまでの生活環境が一変し、赤ちゃんペースの生活になるのは、ママにとって様々な負担。無理をしすぎず、周囲の人に助けられながら乗り越えていこう!
(二本松菊子+ノオト)

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塙美由貴
塙美由貴
心療内科みゆきクリニック
心療内科みゆきクリニック院長。精神分析学会認定精神療法医、精神神経学会認定医&指導医、精神保健指定医。食事療法や精神分析を応用して治療成績を上げている。
心療内科みゆきクリニック院長。精神分析学会認定精神療法医、精神神経学会認定医&指導医、精神保健指定医。食事療法や精神分析を応用して治療成績を上げている。