本来は近しい関係性のはずなのに、つい遠慮してしまい、本音が言えないという夫婦は少なくないもの。これってなぜ? 『夫婦は話し方しだいで9割うまくいく』著者でファミリーコンサルタントの高橋愛子先生に聞いた。
「夫婦間で遠慮してしまうのは、『こんなことを言ったら嫌われるんじゃないか』『イヤな顔をされるんじゃないか』という恐れだと思います。でも、試してもみないで『言いたいことが言えない』なんて言われたら、相手はもう何もできないですよね?」(高橋先生 以下同)
「相手に遠慮して何も言えない」というのは、実は自分自身で勝手に判断していること。これは、人の話を聞こうともせず、自分を否定し、同時に相手も否定している。
「言いたいことは、全部言ってみれば良いんです。スッキリするはずですよ。それでダメだったら、修正すれば良いんですから」
さらに、「言いたいことをお互いに言えない関係」を続けていくと、子どもが巣立ったときに、会話のない夫婦になってしまう危険性も大!
「例えば、否定から始まる会話を続けていたら、相手も何かを言うのが嫌になってしまいます。反対に、自分の話をよく聞いてくれる人のことは、誰でも好きなもの。日頃から相手を褒め、讃え、慰める言葉をかけていくと、いろいろ話したくなりますよ」
子どもが巣立ったときに、その寂しさを共有し合える唯一の相手が夫婦でもある。それは、子どもが大きくなったときに考えるのでは遅い。子どもが小さなうちから、「相手の気持ちがわかる自分」になっておく必要があるそうだ。
「夫婦がべったり一緒にいる必要も、一緒の趣味を持つ必要もありません。お互いに、好きなときに、好きなことをしていて良いんです。ただし、相手の気持ちをいつも考えましょう」
離れていても良いから、相手の気持ちを引き出す言葉かけをすること。そして、その言葉のなかから気持ちの部分を拾い上げ、共感してあげていれば、相手も進んで話すようになるそう。
夫婦間こそ、相手の気持ちを理解し合うことは絶対に必要。「つい遠慮しちゃって、相手に本音を言えない」と言う人は、相手の気持ちを拾い上げる努力・コミュニケーションの努力を心がけてみよう。
(田幸和歌子+ノオト)