産後すぐ始めたい骨盤調整セルフケア

産後すぐ始めたい骨盤調整セルフケア

第2回 産後エクササイズで気持ちのいい毎日を
出産後の体は、大きなダメージを受けています。自宅でできるセルフケアで、出産で低下した体力を回復していきましょう。
産後ヘルスケアプログラムの開発・普及に取り組むNPO法人マドレボニータ代表の吉岡マコさんに伺います。

●開いた骨盤を戻すマドレ式産褥(さんじょく)体操

「出産後1カ月はお産で傷ついた体を回復させるため、横になって過ごすのが基本です。この時期に布団の上でできるのが、うつぶせで行う産褥体操。出産後のすべての女性に実行してほしいセルフケアです」(吉岡さん 以下同)

マドレ式産褥体操

うつぶせになると、まず、腹筋が伸び、妊娠中に左右に開いてしまった腹直筋が本来の形に戻ることを助けます。また、腹部を圧迫することで、子宮が収縮するときの痛み(後陣痛)を和らげたり、腰痛の原因につながる子宮後屈を防ぐ効果もあります。

うつぶせで両脚を内股にして脱力すると、お尻やももの脂肪がだらっと垂れているのを感じます。この姿勢から、太ももを付け根から外側にギュッとひねり、数秒間キープしてから緩めます。太ももをひねるときは、かかとをくっつけ、つま先を外側に向けるようにします。

「このエクササイズには、出産時に開いてしまった骨盤を正しい形に戻す効果があります。骨盤のゆがみを正すことは、美しいシルエットを取り戻す第一歩。骨盤が開いたまま過ごしていると、内臓が下垂して体調不良を引き起こしたり、ぽっこりお腹、台形お尻のいわゆる産後体形になってしまいますよ」

●正しい授乳姿勢で筋力アップ

「崩れた体形を戻すには、筋肉の力も必要です。出産後はお腹に力が入りにくく、猫背になりがち。これでは、お腹の脂肪がはみ出してブヨブヨのまんまです。日常生活で腹筋を意識して正しい姿勢をキープすることで、衰えた腹筋を鍛えることができます」

正しい授乳姿勢

「まずは毎日の授乳の姿勢を意識することから始めてみましょう。背筋を伸ばし腹筋を使って体を支えます。正しい姿勢で授乳すると、疲れにくく、バストアップの効果も。赤ちゃんもおっぱいが飲みやすくなって、いいことずくめなんですよ」

このほか、おむつ替えのときに、あぐらで座り、脚の付け根から上半身を倒すようにすると、腹筋と背筋のトレーニングになるのだそう。
育児の動作がママの筋トレ。これならすぐに始められそうですね。
(文・やまもとさくら+クレッシェント)

お話をお聞きした人

吉岡マコ
吉岡マコ
NPO法人マドレボニータ代表、産後セルフケアインストラクター
東京大学文学部美学芸術部卒業。同大学院生命環境科学科(身体生理学)で運動生理学を学ぶ。1998年「産後のボディケア&フィットネス教室」を立ち上げ、産前・産後に特化したヘルスケアプログラムの開発、研究・実践を重ねる。2007年NPO法人マドレボニータを設立。
東京大学文学部美学芸術部卒業。同大学院生命環境科学科(身体生理学)で運動生理学を学ぶ。1998年「産後のボディケア&フィットネス教室」を立ち上げ、産前・産後に特化したヘルスケアプログラムの開発、研究・実践を重ねる。2007年NPO法人マドレボニータを設立。