生理痛緩和のためにやっていいこと、悪いこと

第1回 我慢すべきと思ってない? 知っておきたい生理痛のこと 
多くの女性に毎月やってくる、痛みやだるさをともなう憂鬱な「生理痛」。

生理痛緩和のためにやっていいこと、悪いこと

症状を少しでも緩和させるには、どうしたら良いだろうか。成城松村クリニックの松村圭子院長は次のように話す。

「生理痛があるときは、早めに痛み止めを飲んで、ラクになるのがいちばんです。『痛み止めに頼るな』などという精神論には、何のメリットもありません」(松村院長 以下同)

「痛み止めをたびたび使うと、クセになり、痛み止めを毎度使わずにはいられなくなる」とか「習慣化して、効きが悪くなる」と思っている人がときどきいるが、それは勘違い。薬が効かなくなる場合には、他の原因が考えられるそう。

「痛み止めを使用する目的は、痛みの原因物質・プロスタグランジンの働きを抑えること。しかし、生理痛がピークになっているときには、プロスタグランジンの分泌が盛んで、すでに抑えられなくなっていることも。だからこそ、分泌がピークになる前、つまり、痛みがピークになる前に痛み止めを飲み、しっかり抑えることが大切なのです」

「生理痛」の緩和法

生理痛を少しでも緩和させる方法は、以下の通りだそう。

1、とにかく体を冷やさないこと
冷えや血行不良は、生理痛の原因になることがある。冷えると子宮の筋肉が硬くなり、スムーズに経血を排出できず、余計に子宮が強く収縮することがあるためだ。

「また、プロスタグランジンは血流によって体外に排出されるわけですから、血行が悪いと体内に滞りやすくなります。つまり、痛みの原因物質がスムーズに排出されず、いつまでも痛みが残っている状態になるのです」

2、生理中だからこそゆっくり入浴を
生理中はお風呂にあまり入らないという人もいるが、冷えの解消という意味でも、入浴は大切。

「生理中だからこそゆっくり湯船につかってリラックスしましょう。生理中は特に気分もブルーになりやすいので、アロマを取り入れるなどするのも良いと思います」

3、冷たい食べ物・飲み物、からい物などはNG
「冷え」が生理痛を悪化させるとなると、冷たい食べ物や飲み物は当然NG。冷たい物を摂取すると、腸から子宮をダイレクトに冷やしてしまうことになる。

「また、からい物も避けたいところです。刺激物をとると交感神経が優位になり、血管が収縮してしまい、血行が悪くなる原因となります」

日頃から軽い運動や、青魚を

他には、生理痛を緩和させるために、日頃から軽い運動を行うのもオススメだそう。

「日頃から運動しているほうが、血行が良く、筋肉もあって、冷えにくいということは考えられます。ただし、運動は体調と相談を。痛みがひどい場合や、生理で貧血気味になる人が無理をして運動するのは逆効果です」

また、日頃から積極的にとりたい栄養素は「EPA(エイコサペンタエン酸)」だそう。

「EPAは、痛みの原因物質・プロスタグランジンをブロックするため、生理痛の緩和に良いと考えられています。青魚などを日頃からとるのがオススメです」

まずは冷やさないこと、体をよく温めてリラックスすること、痛みを我慢せずに痛み止めを早めに飲むことがいちばんの方法だ。
(取材・文:田幸和歌子 編集:ノオト)

お話をお聞きした人

松村圭子
松村圭子
成城松村クリニック 院長
広島大学医学部卒業。同産婦人科学教室勤務を経て、成城松村クリニック開院。「ルナルナ」顧問医。AM「オトナの悩みに答える!婦人科医の特別診察室」などでも活躍。
広島大学医学部卒業。同産婦人科学教室勤務を経て、成城松村クリニック開院。「ルナルナ」顧問医。AM「オトナの悩みに答える!婦人科医の特別診察室」などでも活躍。