なぜ、ママは自分の子の性別が気になるの? そもそも、男の子と女の子で子育ては違うものなの? 『男の子の育て方』『女の子の育て方』(WAVE出版)などの著書を持ち、教育カウンセラーで明治大学文学部教授の諸富祥彦先生に聞いた。
「子育ての基本は、男の子も女の子も変わりません。ただ、男の子のほうが大変だから、『男の子は~』と言うお母さんが多いことはありますね」(諸富先生 以下同)
諸富先生は、男の子の大変さについて次のように指摘する。
「男の子は動きが大きいことや落ち着きがないこと、お母さんの想定外のことをすることが多い。総じて、『目が離せない』『手がかかる』という意味での大変さがあります」
もちろん個人差はあるが、「やや多動傾向や自閉傾向がある」「コミュニケーションが得意でない」など、強い個性を持っている子が全般に男の子に多いということもあるそう。
「お母さんにとって、自分と異性だからわからないとか、ポリシーの違いとかではなく、『対応が大変』『ついていくのが大変』なのです」
加えて、平均寿命からもわかるように、「男の子のほうが、体が弱い」「男の子は風邪をひきやすい」といわれることが多く、健康面の心配もあるようだ。
「一姫二太郎」という言葉があるが、これも「最初は育てやすい女の子を、次に男の子を授かるのが理想的」という意味。そう思えば、「男の子のほうが大変」「女の子は手がかからない」というのは、昔からの共通認識なのだ。
「女の子のほうが手がかからない分、お母さんの気持ちが安定しやすく、男の子のほうが大変だから、お母さんがキレやすいという傾向はあります。ただし、男の子でも女の子でも、最も大切なのはお母さんが『基地』のような存在でいることです」と諸富先生。
オドオドしたり、イライラしたりすることはあっても、「いつまでたってもかわいいい!」の気持ちを大切に、「想定外」も楽しむつもりで子どもと向き合いたいものだ。
(田幸和歌子+ノオト)