「年末年始の生活は、母乳を詰まらせやすい条件が揃っています。授乳中のママにとっては不安が多くなる時期ではないでしょうか」(平出さん 以下同)
●脂質や糖分は母乳詰まりの原因に
ごちそうを食べる機会が多くなる年末年始。帰省先で、好物をふるまわれることもあるでしょう。
おめでたい席でいただく脂質や糖分の多い食事は、母乳を詰まらせやすいと言われています。
「とはいえ、なかなか外出もままならない授乳中のママにとって、食べることは大きな楽しみ。久しぶりのごちそうをガマンするのも、逆にストレスになってよくありません。おいしいごちそうを食べるときは、前後の食事を控えめにして、トータルで食べ過ぎないように調整しましょう。また、ごちそうを食べたあとは、普段より授乳回数を多めにするのも、詰まり予防に効果的です」
●お餅の食べ過ぎにも注意!
お正月といえばお餅。昔から、乳の出をよくする食べ物といわれており、帰省先で親戚などに、たくさん食べるようすすめられることもあるかもしれません。
「お餅は腹持ちがよく(市販切り餅1個が約120kcal)、お乳がよく出る食べ物です。また、2個3個と食べやすい食品のために、ついつい食べ過ぎになりますよね。しかし食べ過ぎは、やはりよくありません。特に普段から詰まりやすい傾向がある人は、半分だけ食べるなど、1日のトータルで量をコントロールするとよいでしょう」
●遠距離の移動は母乳ママの大敵
帰省などによる遠距離の移動も、母乳ママにとって厳しい条件が重なります。乗り物を使った赤ちゃん連れのお出かけは、思った以上に疲れるもの。授乳のタイミングがとれず、間隔があいてしまうのもおっぱいにはよくありません。寒い季節、体の冷えも心配です。
「鉄道でも車でも、遠距離を移動するときは、授乳できる場所や時間を考慮に入れて、計画を立てましょう。周りに気兼ねなく授乳できる車両を利用するのも手です。また、移動中の防寒対策も忘れずに。特に下半身を冷やさないことが重要です。タイツやレッグウォーマー、靴用カイロやムートンブーツなどもいいですね。この時期は、出先で授乳するとき、背中が冷えてしまうこともあります。使い捨てカイロを背中、下腹部に貼るのもおすすめです」
「たくさんのお母さんたちを見てきた経験からいえるのは、母乳の詰まりは、おっぱいにとって、よくない条件が重なったときに起こりやすいということです」と平出さん。
なるほど、何かマイナスのことがあっても、ほかの条件をプラスにすることで、詰まりの予防ができそうです。
赤ちゃんのいるはじめての年末年始、賢く過ごして楽しい時間にしたいですね。
(文・やまもとさくら+クレッシェント)