月々数百円の保険料で安心。自転車保険の選び方

月々数百円の保険料で安心。自転車保険の選び方

第3回 自転車保険、入ってますか? 加入が義務化される自治体も!
この4月、新たに京都府と埼玉県が「自転車保険の義務化」に踏み切りました。その流れを受け、自転車保険への加入を検討しはじめたという方も多いのではないでしょうか? 自身もそうですが、自転車に乗る子どもの保険についても気になるところですよね。

そこでフィナンシャルプランナーの加藤葉子さんに、義務化に対応した自転車事故に備える方法と、選び方のポイントについて解説していただきました。

自転車による加害事故に備える3つの方法

1【自転車保険で備える】
自転車向けに用意された、いわゆる「自転車保険」は、他人の体や物を傷つけたときの法律上の賠償責任を補償する「個人賠償責任保険」と、自分がケガをしたときの治療費を補償する「傷害保険」と、の2つがセットになった保険です。保険料は月に数百円から高くても1000円程度。車のようなロードサービスの付いたものなど、多くのものから選べるようになってきました。

2【TSマーク付帯保険で備える】
TSマークとは、自転車安全整備士が点検整備(有料)した自転車に貼付されるもので、これにサービスで傷害保険と個人賠償責任保険、被害者見舞金が付いています。払うのは保険料ではなく、整備費ですので自転車の状態により必要額は変わります。

ほか特徴としては、一般的な保険が契約者または契約時に定めた対象者につくのに対し、TSマーク付帯保険は自転車を対象としていること。有効期間内(1年)であれば、誰がその自転車に乗っても保険の対象となります。

なお、青色TSマークとより補償の充実した赤色TSマークの2種類があります。加入(整備)の際は、自転車店で確認を。

3【火災保険などの個人賠償責任保険特約で備える】
日常生活で他人に対しての賠償が発生した時に備える「個人賠償責任保険」は、「自転車保険」を銘打った保険に限らず火災保険や自動車保険、各種共済、勤務先で加入する各種団体保険等にあわせ「特約」として加入することもできます。また、クレジットカードに付帯されている場合も多くあります。

保険料の目安は、火災保険などに付帯させ補償額1億円を特約で加入した場合で月80円~200円。自転車事故に限らず、他人や他人の持ち物を壊してしまった様々な事故に対応し、高額な補償限度額が割安な保険料で確保できるので、コスト効果は高いといえます。

自転車の事故に備えて保険に加入する際は、まずは補償額をチェック。次に、保険料と対象者の範囲、そして示談交渉の有無をチェックしてみてください。

まとめ

自転車事故でも、数千万円の高額賠償が必要となった実例もありますし、いずれかの方法で「個人賠償責任保険」は加入しておきたいところ。子どもむけの保険を探している方もいるかもしれませんが、この保険は契約者のほか、配偶者や子ども、同居の親などの家族も対象となるので親が入れば自動的に子どもも含まれることになります。

よその車に傷をつけてしまったとか、お店の商品を壊してしまったなどなど。こうした子どもが起こしがちな賠償事案に対応することができるので、保護者としては安心ですよね。

万が一に備えるなら、補償額は1億円以上がおすすめ。そして他の保険の「特約」として加入するのが、コスト的に有利です。ただし、本体の保険を解約した場合は自動的この保険も解約したことになるので、うっかり無加入状態にならないように注意が必要です。

また「個人賠償責任保険」の支払いは実際の損害額が限度ですので、重複させるのは単なるお金の無駄となってしまうことにも注意してください。

加入を検討するならばまずは、現在加入している保険契約に個人賠償責任保険が特約としてついていないか、使っているクレジットカードに付帯されていないか確認することが。保険証券を見てわからなくても、直接保険会社に問い合わせれば大丈夫です。(文・宇都宮雅之)