歯並びがいい人は人口の20%
代表的な歯並びの症状を紹介する前に、坂部先生がこんなお話をしてくださいました。
「実は、何も治療の必要がない“歯並びがいい人”というのは、厳密に言うと人口の20%しかいないと言われているんです。逆に言うと80%の人はなんらかの程度問題があって、その中で治したい人、気になる人がある一定の割合いるということなんですね」
歯並びのいい人がそんなに少ない割合とは、ちょっと驚きの現実ですね。では、その中でも、子どもに多い歯並び問題とは?
①叢生・そうせい(前歯のデコボコ、乱杭歯)
「もっとも多いのが、叢生です。歯がおしくらまんじゅうしてしまって、デコボコになってしまう歯並びです。原因は2つあって、歯が大きすぎる場合と、アゴが小さすぎる場合なんです。歯が大きすぎる場合は、永久歯が生えそろったあとに歯を4本ひと組で抜いて、場所を作ってあげるという治療が一般的ですが、実はそれは少数派なんですね。ほとんどの人は歯の大きさは標準範囲で、アゴが狭いために起こることが原因なんです。アゴを広げるための治療開始時期としては、6歳ごろからが理想でしょう。はえてきた永久歯の大きさから永久歯がキレイに並ぶアゴの大きさを予測し、アゴを広げる幅を算出していきますから、基本的には永久歯が生えはじめる5歳以降に治療を開始します」
②上顎前突(出っ歯)
「叢生についで日本人に多いと言われているのが、いわゆる“出っ歯”と言われる上顎前突です。下のアゴの成長が十分でなかったり、上の歯が前に傾斜しているケースが多いとされ、また指しゃぶりや口呼吸なども原因とされています。上の歯が出てしまっていると、唇もつむれないのでカッコ悪いだけでなく、前歯でモノを噛めなかったり、口の中が乾燥しやすいために唾液の抗菌作用がうまく働かずに虫歯になりやすかったり、かぜをひきやすくなったりというトラブルにもつながるんですね。治療開始の時期としては、原因が指しゃぶりなどクセによるものの場合やアゴが左右にズレているなどの骨格的な変形などの場合は、3歳以降から改善をはじめます。そういった原因がない場合は、前歯が生えそろう8歳くらいをおすすめします」
反対咬合(受け口)
「本来、上の歯がかぶさるべきなのに、逆に咬んでしまう受け口は、人口的にはすごく少ないのですが、見た目のインパクトが強いために、皆さんが一番気にする問題です。また、3歳くらいになってくると、赤ちゃんのころのパクパク噛みと違って食べ物をすりつぶすようになるため、噛み合わせが逆になっているとうまくアゴが動かせないため食べる効率が悪くなったり、話し方にクセが出てしまったり、いろいろと問題が起きてきます。実は、歯並びの問題の中でも一番治療が難しいとされていて、長期間の治療を要するのも特徴です。遺伝性の要因も強かったりするので、3歳以降のできるだけ早い時期からの治療が有効とされています」
お話を伺った人
医院情報
■麻布医院: 東京都港区麻布十番2-17-4 TEL:03-5439-5810(左写真)
■目黒医院: 東京都目黒区鷹番 1-15-3 TEL:03-3716-7790
■成城医院: 東京都世田谷区成城6-17-7 TEL:03-5429-1100
■麻布医院: 東京都港区麻布十番2-17-4 TEL:03-5439-5810(左写真)
■目黒医院: 東京都目黒区鷹番 1-15-3 TEL:03-3716-7790
■成城医院: 東京都世田谷区成城6-17-7 TEL:03-5429-1100