小学校受験のメリット・デメリット

小学校受験のメリット・デメリット

第2回 お受験する?しない?
少子化にあっても、首都圏を中心に依然として多いとされる「小学校受験」。わが子の場合はどうしようかと、考えているママも少なくないのでは? 

そこで、小学校受験の現状に精通し、「e-ojyuken.com」のオーナーである木下健藏さんに、小学校受験のメリットとデメリットを聞いた。

「小学校受験の大きなメリットは、少人数で近しい価値観を持つ家庭で育った友人に囲まれて過ごせることですね。同じ釜の飯を食った仲間は、将来においても貴重な財産となります。また、それぞれの私学の教育方針にのっとった教育をうけられることも挙げられます。進学校なら当然、周りが受験を見据えたライバル同士なので、仲間と切磋琢磨しながら難関校を狙う環境になります」(木下さん 以下同)

では、逆にデメリットは?

「やはり、一番大きいのは金銭面でしょうか。小学校で6年、中学で3年、高校で3年、この12年間でかかる教育費は、仮に年100万円として1200万円かかることになります。そもそも、小学校から私学に入れる必要性があるのかどうかを明確にしましょう。改めてそれを考えた結果、『高校受験からでいい』と判断される家庭も少なくないようです」

小学校受験のメリット・デメリット

また、親が過度に期待し、教育熱心になりすぎるのは子どもの将来を考えるとマイナス面に働くことがあるという。

「1つ、2つ…7つ、8つ、9つと『つ』がつく年齢は、脳が未発達で論理的思考能力が充分に育っていない年齢とされています。子どもにプレッシャーをかけすぎると脳の成長を阻害してしまう場合があり、コミュニケーション能力が十分に育たない可能性もあります。いまは、多くの企業がコミュニケーション能力を重視し、これからもその力は求められるでしょう。学力は高いのに、周りと上手に関係を築けないと、将来的に困ることになります。子どもが自分の頭で考え、自立(自律)できるよう育てることが大切です」

もちろん、小学校受験には勉強習慣がつくなど、適度な早期教育で鍛えられる力も多い。しかし、本当にそれが必要かどうかは、その子の成長具合や性格によるところが大きい。

「周りが受験するから…」ではなく、本当にわが子に必要かどうかを見極めて、必要だと感じたら小学校受験に臨もう。
(石水典子+ノオト)

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お話をお聞きした人

木下健藏
木下健藏
こだまの寺子屋、e-お受験.com、e-子育て.com
群馬県高崎市下豊岡町にある『こだまの寺子屋』の主宰&講師であり、情報サイトe-お受験.com、 e-子育て.comの主宰者。幼稚園受験や小学校受験のノウハウを活かしたアドバイザーとしても活躍。
群馬県高崎市下豊岡町にある『こだまの寺子屋』の主宰&講師であり、情報サイトe-お受験.com、 e-子育て.comの主宰者。幼稚園受験や小学校受験のノウハウを活かしたアドバイザーとしても活躍。