予防接種を受けるスケジュールの立て方について、NPO法人「VPDを知って、子どもを守ろうの会」の理事長、薗部友良さんに聞いてみた。まず押さえたいのは、次の5つのポイントだ。
●予防接種のスケジュールを立てる5つのポイント
1. 流行しているVPD(ワクチンで防げる病気)、重症になりやすいVPDを優先する
2. 接種年齢(月齢)になったらすぐに受ける
3. 同時接種を取り入れる
4. わからない時は早めに医師に相談する
5. 「ワクチンデビューは生後2カ月」。スタートダッシュが肝心
「ワクチンの目的はVPDの予防です。乳児は、生後すぐは母親の免疫を受け継いで感染症にかかりにくい時期とされていますが、次第にその効果がなくなります。生後2カ月を迎えたらすぐに受け始めましょう」(薗部さん 以下同)
生後2カ月に受けるべきワクチンは、「ヒブ」「B型肝炎」「小児用肺炎球菌」「ロタウイルス」の4つ。特に、「ヒブ」と「小児用肺炎球菌」が原因の細菌性髄膜炎は生後6カ月を過ぎるとかかる子どもがより増えるため、生後2カ月から受け始めて6カ月までには初回3回の接種を済ませておくといいそうだ。
「ワクチンには、ウイルスや細菌の毒性(悪い部分)を極力抑えた『生ワクチン』と、毒性を完全に殺して免疫ができる成分だけにした『不活化ワクチン』があります。一度ワクチンを接種したら次にほかのワクチンを接種できるのは、前者は4週間後の同じ曜日から、後者は1週間後の同じ曜日からと決まっています。効率よく受けるために、生ワクチンと不活化ワクチンの受ける順序を工夫しましょう。そうすれば、その間にVPDにかかる危険性も軽くなります」
また、一度に複数のワクチンを受ける「同時接種」を取り入れるのも効果的だ。ひとつずつ免疫を獲得するよりも、早く確実に病気から子どもを守ることができる。
「ワクチンは生後2カ月から受け始めるのが理想ですが、予防接種のスタートが遅れてしまったというママもいるでしょう。その場合、子どもの年齢に応じて優先すべきワクチンがありますので、自己判断ではなく、必ずかかりつけの小児科の医師に相談してください」
VPDはすべて、かかると重い後遺症が残ったり、場合によっては命を落としたりする危険性がある。わが子が健やかに育つよう、予防接種に関する知識をしっかりつけておきましょう!
(南澤悠佳/ノオト)