そもそも幼稚園は何歳から入園できる?
「幼稚園は3歳から」というイメージがありますが、幼稚園によって入園年齢は様々です。
早生まれと遅生まれではクラスが違ってくるため、対象年齢の早見表でチェックしましょう。
幼稚園によって入園年齢が異なる
教育基本法の26条では、幼稚園に入園できるのは「満3歳~小学校就学の始期に達するまでの幼児」と定められています。
過去には2歳児に対しても幼稚園教育を試みましたが、幼児同士が関わり合って遊ぶ姿が見られず、「2歳児に学校教育はまだ早すぎる」という評価が出ています。
そのため、日本では満3歳から入園することができますが、実際の入園時期は幼稚園ごとに異なっています。
・3年保育:満3~5歳(年少・年中・年長)
・2年保育:満4~5歳(年中・年長)
多くの幼稚園では3年保育と2年保育を導入しており、それに合わせて入園年齢が設定されています。
対象年齢の早見表をチェック
幼稚園の入園年齢は「4月1日時点で満何歳であるか」が基準です。「満年齢」は生まれた年を「0歳」として、誕生日(午前0時)に1歳ずつ年齢を増やして数えます。
2021年4月入園の場合を見てみましょう。
・3年保育(3歳児):2017年4月2日~ 2018年4月1日に生まれた子ども
・2年保育(4歳児):2016年4月2日~ 2017年4月1日に生まれた子ども
・1年保育(5歳児):2015年4月2日~ 2016年4月1日に生まれた子ども
1月1日~4月1日に生まれた子どもは「早生まれ」と呼ばれます。4月1日生まれと4月2日に生まれは1日だけの違いですが、日本の学校教育では4月1日に生まれた子の方が「学年が1つ上」です。
入園する年齢については「対象年齢の早見表」を活用しましょう。
幼稚園入園・保育所入所年早見表:みんなの知識 ちょっと便利帳
入園のためにはいつから動くべき?
幼稚園は入園時期が決まっているため、早めに「情報収集」を行う必要があります。
説明会や見学会に積極的に参加し、子どもがのびのびと過ごせる幼稚園を見つけてあげたいものです。
入園受付は9・10月ごろから
幼稚園によっても異なりますが、入園受付は9月または10月が一般的です。「入園願書」が配布されるため、希望の幼稚園の願書を入手するのが最初のステップです。
配布枚数に限りがあり、かつ「事前の保育見学」を願書受付の条件にしている幼稚園も多いため「とりあえず全部の願書をもらいにいく」というスタンスだと、手に入らないケースもあるでしょう。
・6~9月:見学会や説明会への参加
・9~10月:願書配布
・10~11月:願書提出・書類選考・面接
入園前年度の10~11月ごろまでに願書の提出をし、その後に書類選考や面接の実施が行われます。
情報収集は入園の1年前から
願書配布から逆算すると、幼稚園の情報収集は入園の1年前から始めるのが理想です。次年度の受付を年明け早々に開始する園もあるため、行動は早ければ早いほどよいでしょう。
情報収集を踏まえ、入園年度の5~7月ごろに「幼稚園見学」や「説明会」に参加します。園児たちの様子や先生の接し方をチェックして、子どもに合っているかを最終的に判断する流れです。
幼稚園によっては2歳児を対象とした「入園体験のクラス(プレ保育)」を設けているところもあります。親子で園に週に1回程度通い、工作やゲーム、季節の行事などを体験するというものです。
プレ幼稚園の利用者が優先的に入園できる場合もあるため、希望の園が見つかったら積極的に参加するとよいでしょう。
曜日や時間が重ならなければ、ほかの園との「かけもち」も可能です
重要!幼稚園を選ぶときのチェックポイント
幼稚園は子どもが初めて集団生活を学ぶ場所です。2~3年という長い付き合いになるため、ちょっとしたところも妥協せずに選びたいものです。
実際に幼稚園選びを経験したママはどんな点をチェックしたのでしょうか?
教育方針や先生の質を見学で見極める
幼稚園には「教育方針」があります。「子どもをどう育てるか」を示したもので、内容は園ごとに千差万別です。
ひらがなや数字などの「早期教育」に力を入れるところもあれば、勉強よりも遊びに重きをおくところもあります。
「シュタイナー教育」や「モンテッソーリ教育」をはじめとする独自のカリキュラムを取り入れる園も少なくありません。
幼稚園を見学する前に「自分たちはどんなふうに子どもを育てたいか」を明確にしておきましょう。
見学会では「先生の質」を確認する絶好の機会です。子どもはよい先生に恵まれると幼稚園に通うのが楽しくなります。先生の支えがあってこそ成長できるといっても過言ではありません。
あいさつや言葉遣いなども大切ですが「子どもを見ているときの表情」を観察すると先生の本質が分かります。
特定の子どもをえこひいきしていないかやトラブルの対処方法なども見ておきましょう。
通園方法や家からの距離
幼稚園の通園方法は「スクールバス」「徒歩」「自転車」が基本です。
スクールバスの場合、近くのバス停まで送り迎えをするだけなので、親にかかる時間的・体力的負担はそれほど大きくはありません。月にかかるバス代がいくらになるかを確認しておきましょう。
徒歩と自転車は、自宅と園の距離が比較的近い場合に限られます。渋滞に巻き込まれる心配がない上に、自分のペースで通学できるのがメリットです。雨天時や雪の日は送り迎えが大変になることも覚えておきましょう。
家と幼稚園の距離については、大部分の人が「家から近い幼稚園」を選んでいるようです。小学校の学区内にあれば、幼稚園を卒業した後も友人関係が引き継げます。
子どもに何かあったときに親が駆け付けやすいのもメリットでしょう。
お昼はお弁当か給食か
幼稚園での食事は「完全給食制」「一部給食制」「お弁当持参」の3つに分かれます。希望する幼稚園がどのパターンを採用しているかを確認しましょう。
給食制のメリットは、子どもに栄養バランスの取れた食事を食べさせられることです。様々な食材が使われるため、子どもの好き嫌いの克服にもつながるでしょう。「毎日お弁当を作る」というプレッシャーからも解放されます。
子どもにアレルギーがある場合は「アレルギー対応の給食の有無」も要チェックです。
一方、お弁当持参は給食制よりもコストが安く済む場合があります。子どもに合わせて量や好みが調節できるため、給食にありがちな「食べ残し」が少ないです。
地味に大変な入園準備 いつから始める?
入園が決まってホッとしたのもつかの間、入園説明会の後は「入園準備」に取りかからなければなりません。
「手作り」や「名前付け」などの細かい作業が多くなるため、段取りよく進めましょう。
後回しにしないという考えが大切
書類選考や面接が終わった後「合格発表」が行われます。合格者を集めた「入園説明会」が実施され、入園に関するルールや必要な持ち物、年間のイベントスケジュールなどが発表されます。
入園の準備は「入園説明会の終了後」から始めるのが一般的でしょう。幼稚園にもよりますが、説明会の実施期間は1~2月ごろです。
4月の入園までは2カ月ほど時間がありますが、準備は後回しにしないことが大切です。手作りしなければならない入園グッズが意外に多く、外注するにしても完成までには時間を要します。
グッズがそろった後は「名前付け」などの作業も出てくるため、早め早めの準備を心がけましょう。
入園時に必要なものは早めに用意
幼稚園で使うグッズは「園指定の業者で購入できるもの」と「親が準備するもの」に大別されます。
前者は、制服・体操着・かばん・お道具箱・クレヨンなどで、準備にそれほど手間はかからないでしょう。
一方、親が準備するものには以下のグッズが含まれます。
・袋類(着替え袋・上履き袋・絵本袋・お弁当袋など)
・紐付きタオル・ハンカチ
・お弁当箱・箸・フォーク・スプーン・コップ
・上履き・運動靴
袋類はサイズの指定があり、場合によっては「手作り」が必要です。生地の規定を確認してから、早めに調達しておくとスムーズでしょう。
名前付けの時間も確保して
幼稚園にはたくさんの園児がいます。持ち物に名前がなければ、先生も誰の持ち物かが把握できません。
幼稚園からはすべての持ち物に名前を書くように言われるため、靴下やハンカチ、箸といったこまごまとしたものにも名前を付ける必要があります。
思う以上に時間がかかるため、家事や仕事の合間に少しずつ着手していきましょう。
名前付けは、物の大きさや素材によって最適な方法が変わります。「サインペン」のほかに「名前シール」「名前スタンプ」「名前アイロンシール」などがあると作業効率がアップします。
まとめ
日本の幼稚園は満3歳から入園が可能です。入園の年齢が近づいたら、幼稚園の情報収集を開始しましょう。
教育方針などの基本的な情報はもちろんですが「通園の利便性」や「完全給食制かどうか」も確認しておきたいポイントです。
先生の質や園の雰囲気は実際に見ないと分からないため、見学会やプレ保育には積極的に参加しましょう。
入園説明会から入園までの2~3カ月は「入園の準備」で忙しくなります。時間を見つけて着実に準備をすすめていきましょう。