DCモーター扇風機って?
各社の比較検討を行う前に、DCモーター扇風機の特徴について、知らない方のために改めてまとめます。
DCモーター扇風機とは、羽を回すモーター部分がDC、つまり直流である扇風機のこと。これまでの扇風機は交流、つまりACモーターの製品が主流でした。
DCモーターは少ない電力でも安定した回転数で回すことができるのが特徴で、ACモーターよりも電力効率が良いため、光熱費も安価で済むのが特徴。また、低回転でも安定した動作が行えるため、これまでのACモーター扇風機では難しかった低回転も可能となり、「弱・中・強」などの3段階ではなく、より細かな風量調整が可能になったというわけです。
消費電力に関しては、従来ACモーター扇風機の約半分程度と、約20W前後の製品が多く。かさむ光熱費削減の一助としても優秀(ただし、扇風機は家電のなかでもそこまで消費電力は高くはありませんが…)という特徴があります。
バルミューダ「The GreenFan EGF-1600-WG」
日立「HEF-DC5000」
パナソニック「F-CR338」
シャープ「PJ-G2DS」
熱線式風量計で計測したDCモータ扇風機能力
今回の検証には、熱線式風量計を用いました。室内を閉め切った状態にし、エアコンも切る。この状態で、各機種最大風量にした際にどれくらい部屋の空気の対流効果があるのかを調べました。なお、熱線式風量計は直接風が当たることがないよう、パーテーションで区切った同室に置いて計測しました。
風の送り方に違いが出るのならば、離れた、しかもパーテーションで区切った場所であっても、何かしら数値的な差異が出るはずです。

4機種計測したところ、各機種の平均1分間における最大風量運転時の計測平均値は、以下の通り。
バルミューダ「The GreenFan EGF-1600-WG」
0.02m/s 0.02VEL
日立「HEF-DC5000」
0.01m/s 0.08VEL
パナソニック「F-CR338」
0.03m/s 0.03VEL
シャープ「PJ-G2DS」
0.01m/s 0.06VEL
ちなみに、扇風機を回す前には、当然すべての数値は0.00をあらわしている。m/sは風速のこと。VELとはなにやらあまり見かけない単位ですが、こちらも風速をあらわす単位。
パーテーション越しの計測で、各機種差が出るだろうかと思いましたが、計測してみると数値にはクッキリとばらつきが。今回の結果を踏まえると、どちらかというと、パナソニック「F-CR338」の方が部屋の空気全体を撹拌する効果が強そうであることが確認できました。
