過保護と過干渉はセットになりやすい
まず、立石さんが“過保護と過干渉”についてわかりやすく説明してくださいました。
「過保護というのは、親が子どもを心配しすぎて“これはできないだろう”という前提で先回りをしてやってしまったり、子どもがやるべきことや責任を肩代わりしてしまうことなんです。過剰に保護をしているうちに、だんだんそれだけでも安心できず、“危ないからやめなさい!”“ああしなさい、こうしなさい!”“これにしなさい!”など、なんにでも干渉するのが、過干渉です。つまり、より過剰な過保護が過干渉なため、この両方はセットになりやすいんですね」(立石さん 以下同)
そして、この“過干渉”がさらに厄介なのだという。
「“この子にできるはずない”ということ前提で子どもの能力を低く見積もって、子どもが何かしようとするたびに、ことごとくさえぎる。親の価値観を押し付ける。そうすると、子どもはまず自信のない子に育ってしまい、結局、親は子どもをマインドコントロールしていることになります。そうすると、子は親の望んだとおりの行動をしないとダメなんだと思うようになり、親の顔色をうかがうようになります。さらに、人の目を気にするようになり、自分の意思を持てない意見を言えない大人になってしまいます。そして、親の価値観もそのままその子の価値観になってしまいます。1番じゃなきゃダメ!と言われて育てば、ビリの子をバカにしてしまったり、自分が一番でないとダメな人間だと思ってしまうんです」
親の過干渉が子どもの自己肯定感を低くする
親が良かれと思ってし続けた過干渉により、自立の芽を摘み、子どもを生きづらい状況にどんどん追い込んでしまうというのは、なんとも恐ろしいですね。
「過干渉は、自信を持つことができず、自己肯定感が低い子を育ててしまうことになります。さらに、失敗の経験をしてこなかったり、失敗を怒られて育つと、失敗を恐れて挑戦意欲もない子になってしまいます。子育ては、目先を見て行うのではなく、その子の将来への影響を見据えて行うことが大事だということがわかりますね。親の価値観が正しいとは限らないのです。我が子のあるがままを受け入れること、それこそがお子さんの自立、将来の幸せにつながるのです」
大事にしている花も、水を与えすぎれば枯れてしまいますね。お子さんへのせっかくの保護も、度が過ぎて自立の芽を摘んでしまわないように心がけましょう!
(構成・文/横田裕美子)