「国が定めた基準を満たして都道府県に認可された保育施設を認可保育園(新制度では小規模保育や家庭的保育なども認可施設・事業になった)といいますが、そうではない保育施設を総称して認可外保育園といいます。認可外保育施設とひと口にいっても、自治体の基準を満たして補助金を受けている施設もあれば、まったく公的な補助金を受けない施設もあります」
普光院さんによれば、認可外保育施設を選ぶ時の注意ポイントは以下の通りだ。
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認可の場合と同じだが、保育士が子どもにやさしく接しているかどうかは一番のポイント。認可外は、狭い施設も多いので、子どもたちがゆったりできるスペースがあるかどうかも注目ポイント。過密だと、事故も起こりやすい。
保育料は適正価格かどうか
認可外の保育料は、施設によって違う。払える範囲内であることが必要だが、補助金を受けない施設の場合は極端に安いのもむしろ保育内容に不安がある場合がある。
赤ちゃんと幼児が同じ部屋は避けるべし
認可外にありがちだが、赤ちゃんと幼児が同じ部屋で保育している施設は事故が起こりやすいので要注意。
有資格者の割合
認可保育園は決められた人数は全員、保育士(有資格者)でなければならない。認可外の場合、人員配置基準は認可と同じだが(0歳児には子ども3人に対して保育士ひとり、1歳児は子ども6人に対して保育士をひとりなど)、全員が有資格者でなくてもいいことになっている。資格の有無は見ただけではわからないので、施設長などに質問してみよう。
給食はちゃんとしているか
認可外でも調理室があるのが普通だが、本当に人数分の食事を作れる施設になっているかどうか、のぞいてみよう。
園庭のない施設は外遊びの対応を確認
都心などでは認可保育園も園庭のない施設がふえているが、認可外は8割以上で園庭がない。園庭がない場合は、外遊びをどうしているか確認しよう。天気のいい日は毎日公園などで遊ばせてくれることが望ましい。乳幼児期は、体を思いっきり動かせることが心身の発達のために重要。
ところで、認可外保育施設に入れたい場合、申し込みはどのようにすればよいのだろうか?
「認可外保育園は認可保育園のように一斉に募集するわけではありません。先着順のところやその施設独自の選考方法のところもあります。ですので、希望する施設があれば、都度チェックしましょう」
また、焦りすぎも禁物だという。ニュースなどで待機児童の話題がクローズアップされると、どうしても危機感をあおられがち。しかし、待機児童で困っているのは都心部の一部だけなのだそう。
「全国的に見たら、空いている施設がある地域もあります。同じ市のなかでも変わってくるので、自分の通える園にフォーカスして情報を集めるといいですね。『焦って預けて育休があまり取れなかった』『子どもの月齢が幼い大事な時期を一緒に過ごし損ねた』などの後悔をしたらもったいないですから」
今は待機児童問題の解消のために次々と保育施設が作られ、保育の質のばらつきが問題視されているという現状もある。保育士の目が行き届いていないなど、見に行って危険を感じたら、預けないという判断も必要だ。預けて失敗したということのないように、しっかりとした情報収集を行おう。
(石水典子+ノオト)