新生児と呼ぶのはいつまで?この時期の体の成長や過ごし方

第16回 知っておきたいママ情報
新生児と呼ばれるのは、1カ月にも満たない期間です。目や耳・鼻など少しずつ成長し、新生児特有の行動も見られます。寝つきが悪かったり、泣いている理由がわからなかったりと大変ですが、新生児の体の成長や1日の過ごし方を知り育児に向き合いましょう。

いつまで新生児と呼ぶの?

子どもは新生児・乳児・幼児・児童など、成長するにしたがって様々な呼び名に変化します。しかしながら、それぞれいつからいつまでの呼び名か即答できる人は少ないのではないでしょうか?

特に、新生児の期間は、意識していなければあっという間に過ぎてしまいます。新生児と呼ばれる期間はいつまでなのか、ここではっきり覚えておきましょう。

何ヶ月までが新生児?| 教えて!goo

生後28日未満まで

母子健康手帳によると、赤ちゃんが生まれた当日は「生後0日」とされています。「母子保健法」という法律の定義上、そこから数えて28日までが新生児と呼ばれる期間です。

新生児の期間が過ぎれば、1歳を迎えるまでの赤ちゃんは「乳児」と呼ばれるようになります。

・母子保健法(◆昭和40年08月18日法律第141号)

体の成長と特徴

赤ちゃんを新生児と呼ぶ期間についてわかったところで、次は具体的に新生児の赤ちゃんはどのような特徴を備えているかを知っておきましょう。新生児の赤ちゃんに起こる、体の成長について解説します。

視力

新生児の視力は、0.01~0.02程度です。距離にすると、赤ちゃんは顔から20~30cmまでのものであれば見えているということになります。とはいえ、焦点を合わせる力がまだ発達していないため、離れているとぼんやりとしか認識できません。

何か赤ちゃんにしてみせたり、表情を引き出したりしたい場合は、できるだけ顔を近づけるとよいでしょう。特に、人の顔は、新生児の赤ちゃんが興味を示しやすい対象です。

ちなみに、新生児の目はまだ色を識別できず、黒・白・グレーしか感じ取ることができません。

耳や鼻

赤ちゃんの耳は成長が早く、妊娠20~26週ごろ(妊娠6~7カ月)にはすでにママの心臓の鼓動や血液の循環する音を聞きとっています。妊娠8カ月もすると、外の世界の音も聞こえるようになるのです。

新生児には、ゆっくり、かつ抑揚をつけることを意識しながら高いトーンで話しかけると、よく反応を示します。

赤ちゃんは、鼻の成長スピードも速いです。嗅ぎなれた母乳やママの匂いはきちんと嗅ぎ分けられます。

新生児は口呼吸が苦手で、主に鼻呼吸で空気を吸っていることを知っておきましょう。もし鼻が何らかのはずみで塞がってしまうと、十分に呼吸することができません。赤ちゃんが寝ている周りに物を置いたり、赤ちゃんの体が沈み込むような柔らかい布団で寝かせたりするのは危険です。

体温

新生児は大人よりも体温が高く、平熱は36.5~37.5度ほどです。だからといって、寒さに強いというわけではありません。体温調節機能が未発達であるため、外気温が低ければすぐ体温を奪われてしまうのです。

一方、熱を発散する力もまだ整っていないため、温めすぎて熱がこもらないように注意する必要もあります。部屋の温度や湿度は常に快適であるように気をつけつつ、薄着にも厚着にもならないよう、温度調整に気をつけましょう。

夏場は「室温25~28度・湿度60%」程度、冬場は「室温20~25度・湿度50~60%」程度で、直射日光やエアコンの冷風・温風が直接当たらないようにします。

原始反射

新生児の行動には、「原始反射」と呼ばれるものがあります。原始反射は胎児のころから備わっており、生後半年程度の短い期間にしか見られません。

原始反射のなかには、外部の音に対してビクッと反応し、その後手足をバタつかせたり、抱きつくような動作をしたりする「モロー反射」や、新生児を抱いて床に足を付けさせると歩くような動作をする「原始歩行(歩行反射)」があります。

これは、赤ちゃんの意思とは関係なく、赤ちゃんが人間として生存するために必要な行動です。なかでも、新生児の手のひらや足の裏を軽く押すと握り返してくる「手掌把握反射」は特に有名な原始反射といえます。

ほかにも、新生児の頬や口にものが触れたとき、そちらの方向に顔を向ける「口唇探索反射」や、指や乳首を口に含ませると強く規則的に吸う「吸てつ反射」は、ミルクを飲むために必要な行動といえるでしょう。

1日の過ごし方

1日の過ごし方にも、新生児ならではの特徴があります。お世話の参考にするためにも、授乳・排泄・睡眠に見られる特徴を把握しておきましょう。

授乳の間隔

新生児の授乳のリズムは、「1日に8~10回・3時間おきに与える」のが一般的です。とはいえ、個人差があるため、さほど神経質になる必要はありません。

「1回あたりの母乳の量」や「赤ちゃんがちゃんとおっぱいを吸えているかどうか」を観察しましょう。赤ちゃんの体重の変化や排泄の状態でも、判断できます。

口を開けて顔を動かしたり、手や指をしゃぶったり、ささやくような小さな声を出したりしているときはミルクをほしがっているサインです。

平均的な回数や時間はあくまで目安とし、赤ちゃんがお腹を空かせていれば量と間隔を調整しながら授乳しましょう。

おしっこ、うんちの回数

新生児は、「1日に15~20回」のおしっこをします。さほど量は多くなく、正常であれば色は「透明」や「黄色」「茶色」です。汗を大量にかく夏場は成分濃度が高まり、濃い色になることがあるでしょう。

うんちも個人差はありますが、「1日に5~10回」ほどします。生後1カ月までは腸が未発達のため便を貯めることができず、頻繁に排出するのです。

新生児のうんちは、たった数日の間に見た目に変化が現れます。生後24時間以内に2・3回するのは、羊水や腸の分泌物がもとになった、黒褐色や緑色のねばついたうんちです。

母乳やミルクが始まると、水っぽい緑や黄色のうんちとなり、3~5日すると黄色がかったうんちをするようになります。

睡眠時間

新生児の睡眠時間は1回につき「3~5時間」、1日の合計は「約15~18時間」が平均です。1日中ほとんど寝て過ごしているといっても過言ではありません。

新生児の赤ちゃんに昼と夜の区別はなく、時間帯に関係なく2~3時間おきに目を覚まします。世の多くのママが睡眠不足に悩むのは、このためです。成長するにつれて徐々に昼と夜の区別がつくようになり、「昼に活動して夜眠る」サイクルに変化します。

新生児の育児で大変なことは?

新生児の育児には、多くのママ・パパが悩まされます。特に、初めての育児の場合は「周囲の赤ちゃんの話を聞いて、我が子と比べて不安になる」というのもよくあることです。

「育児を大変に感じているのは自分たちだけではない」と気づくと、気分が少し楽になるでしょう。新生児の育児のなかでも、特に大変だとされていることを三つ紹介します。

なかなか寝てくれない

「新生児がなかなか寝てくれず、昼も夜も休めない」という経験をしたママ・パパは多いものです。新生児の眠りは浅い「レム睡眠」がほとんどであるため、ほんの少しの違和感で目を覚ましてしまいます。

抱っこしている間に寝入った赤ちゃんをベッドにそっとおろそうとすると、とたんに目を覚ましてしまう現象は、新生児あるあるです。人肌から離れたことを感じ取ったり、ほんの少しの物音を聞きとったりすることで、パッチリ目を覚まします。

新生児、夜全く寝ません| 教えて!goo

寝ない赤ちゃん | 教えて!goo

慣れないオムツ替え

新生児は排泄する回数が多く、1日に何度もオムツ替えすることになります。あたふたしつつも何とか完成したオムツを、あっという間に交換することになり残念な気分になることも多いでしょう。

赤ちゃんがバタバタと動いたり、水っぽく緩いうんちが流れたりというアクシデントも多く、慣れないうちはなかなか手際よくオムツ替えができません。排泄物で汚れるとその都度衣類を交換することにもなるため、オムツ替えは想像以上に大変です。

泣いている理由がわからない

新生児は当然ながら言葉で意思疎通が取れないため、どんなケースでも泣くことで自分を主張します。周囲の大人が赤ちゃんのメッセージを読み取る必要がありますが、どうしても泣いている理由がわからないシチュエーションも多々あるものです。

「オムツ替えしてもダメ」「ミルクをあげてもダメ」「抱っこしてもダメ」となると、初めて育児をするママ・パパが途方に暮れるのも無理ありません。

「泣きたいのはこっちだよ!」とイライラしたり、「我が子なのになんでわかってあげられないの?」と自分を責めたりするママ・パパはたくさんいます。頑張り過ぎず、気持ちにゆとりをもって育児するとよいでしょう。

新生児の様子がおかしい。 | 教えて!goo

新生児のカンシャクに泣き続ける原因、受診必要?  | 教えて!goo

まとめ

新生児の期間は、生まれてから28日間とあっという間です。視力などまだまだ未発達なところもあれば、聴力や嗅覚など急速に成長しているところもあります。なかでも、原始反射は、新生児期にしか見られないものです。

睡眠や授乳、排泄のサイクルなど1日の過ごし方も特徴的で、育児に慣れないうちは困ることも多いでしょう。なかなか寝つかなかったり、泣いている理由がわからず戸惑ったりすることも、赤ちゃんを持つ家庭であれば一度は度は通る道です。

新生児の育児は大変ですが、我が子の短く貴重な期間に大切に向き合いましょう。