新生児が笑うのはなぜ?発達過程で変わっていく赤ちゃんの笑いとは

第14回 知っておきたいママ情報
眠っていることが多い新生児はずっと見ていても飽きません。そんななか、何もしていないのに突然ニコっと笑ったような表情を見せる瞬間があります。この記事では、生まれたての赤ちゃんが笑顔を見せる理由と、発達段階における赤ちゃんの笑いを解説します。

新生児が笑うのは楽しいから?

生まれたばかりの赤ちゃんの行動は、主によく眠っているか、お腹がすくなどの不快感から泣いて訴えるという2パターンです。

この頃の赤ちゃんは、耳は聞こえていても視覚はまだはっきりとしていません。にもかかわず、なぜふとしたときに笑顔を見せてくれるのでしょうか。その理由を紐解きます。

反射的に起こる生理的微笑

生まれたばかりの赤ちゃんと触れ合っているときに笑顔が見られると、笑ってくれたと思うでしょう。しかしこれは何かに刺激を受けて起こるのではなく、反射的に起こる「生理的微笑」という現象です。

生理的微笑は意思と関係なく、顔の筋肉のけいれんによって起こるのではないかといわれています。しかしながら、専門家のなかには赤ちゃんがママの腕に抱かれて眠っているときや、授乳後のお腹が満たされた後に見られる確率が高いことから、安心したことを表情で示しているという説を唱える人もいます。

どういったメカニズムで発生するか詳しいことはわかっていませんが、瞬間的にしか見られないとても貴重な現象です。そのため「天使の微笑み」とも呼ばれます。

生後2カ月ごろから笑いに変化が

温かいお腹の中から突然外に出て慣れない環境で過ごしていた赤ちゃんですが、だんだんと視界もクリアになり周囲に目を向けるようになります。視力が出てくることで、赤ちゃんの表情はどのような変化が出てくるのでしょうか。

周囲に反応する社会的微笑

お腹の中から出た生活に慣れ始める生後2カ月くらいになると、生理的微笑が起こる機会が減っていきます。

その代わりに、外からの刺激によって笑う「社会的微笑」が見られるようになるのです。大人は笑顔を引き出すように必死にあやすでしょう。

この時期はまだ自分以外の存在やモノを認識しているだけで、ママやパパだから笑うというわけではないようです。

生まれたてのときよりも目がもっと見えるようになり、本やおもちゃに反応するようになります。楽しいと感じたときにニコっとしてくれることも増えてくるでしょう。

生後6カ月ごろには声も出すように

これまでは口角を上げて笑顔を見せるだけだった赤ちゃんも、日々の成長とともに感情表現が豊かになってくると声を出して笑うようになります。

かわいい笑顔とセットでケラケラと笑い声を出し始める時期は赤ちゃんによって違いますが、生後5〜6カ月ごろから見られるようです。

活動しているときだけでなく、眠っていて楽しい夢を見ているときにも声を出して笑うことがあります。

赤ちゃんを笑わせるコツ

赤ちゃんはまだ言葉を話せないため、何が好きなのか探りながら触れ合いましょう。笑いのツボは人それぞれですが、多くの子どもがよい反応を示してくれるアクションを紹介します。

赤ちゃんを笑わせる方法・・・ | 教えて!goo

優しく体をくすぐる

大人でも体を優しく触られると、くすぐったくて思わず笑ってしまいます。この方法は赤ちゃんにも有効です。首元や脇の下、ひざ裏など敏感な部位を優しくくすぐってあげると、声を出して笑ってくれるかもしれません。

このときただ触るだけでなく「こちょこちょ〜」と声出しをしながら、笑顔でしてあげるとより効果的です。くすぐり遊びはスキンシップも同時にできるので、心の安定にもつながります。

ふぅっと息を吹きかける

くすぐり遊びと共通していますが、ふぅっと息を吹きかけてあげるとくすぐったさを感じて笑ってくれることがあります。

赤ちゃんの顔や首元にふわっとした風を送ってみましょう。これだけで爆笑を誘えないかもしれませんが、思わずきゃっと声を出して笑う姿が見られそうです。

定番のいないいないばぁ

日本だけでなく世界中で赤ちゃんをあやし続けている「いないいないばぁ」は笑顔を引き出すのに有効な方法です。

いなくなったと思った大好きなママやパパの顔がぱっと現れると、赤ちゃんは驚きとともに笑ってしまいます。

「いないいない」で顔が隠れる→「ばぁ」で顔が現れるという変化を見ることで、脳の発達にも効果的といわれています。情緒面でも発達面でも一石二鳥の遊びです。

変化をつけたり、リズミカルに声がけをしたりするとマンネリが防げて、赤ちゃんの笑顔をたくさん見られるかもしれませんね。

首が据わってからのたかいたかい

「たかいたかーい」とふわっと持ち上げられて視界が変わることで、赤ちゃんが笑うかもしれません。いつも見ている床に近い世界から、見たことのない高い世界を見られるのが新鮮に感じるのでしょう。

昔からなじみのあるあやし方なので高確率で笑ってくれそうですが、「揺さぶられっ子症候群」の原因にもなり得るので、注意して行うようにしましょう。首が据わらないうちはやらないようにします。

親の笑顔もとても大切なポイント

職人の世界などでは「見て学ぶ」ことがありますが、言葉が通じない赤ちゃんも身近な人を見て色々学んでいます。表情の出し方も親の働きかけ次第で変わってくるようです。よく笑う子になるため秘訣を見てみましょう。

たくさん笑いかけてあげる

「よく笑う子に育つためには、親がたくさん笑いかけてあげることが大切」といわれることが多いです。

赤ちゃんは自分で見たことを脳内にインプットし、真似をしながら成長していきます。親がいつもニコニコして楽しく話しかけてあげれば、笑顔を見せてくれるようになるでしょう。

ただ笑わせるだけでなく赤ちゃんから笑顔を向けてくれたら、それにすかさず反応して笑い返してあげることも大切です。

その反応がうれしいと感じた赤ちゃんは、どんどん笑った顔を周囲に見せるようになります。親の働きかけから、笑顔の連鎖が生まれていくのです。

笑わないのは何か問題があるから?

児童館などへ足を運ぶようになると、他の赤ちゃんとの違いが何かと気になってきます。「うちの子はあんなに笑ったり反応したりしないけど…」と不安になる人もいることでしょう。笑顔を見せてくれないのには何か問題があるのでしょうか。

発達には個人差がある

赤ちゃんも人間なので、持っている個性はさまざまです。どんな相手にも反応してしまう笑い上戸な赤ちゃんもいれば、人見知りで知らない人を目の前にすると全身固まってしまう赤ちゃんもいます。

また体の発達も個々で違ってくるため、顔の筋肉の使い方がまだよくわからず表情を変えにくいのかもしれません。

大人でもよく笑う人もいれば、ポーカーフェイスを崩さない人もいます。あまり笑わないというのもその子の性格として捉えてあげましょう。

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心配ならかかりつけ医に相談

自分の子どもの様子が他の子と違うことが気になって仕方ないと感じる親はたくさんいます。

笑顔が少ないのではなく、話しかけたりあやしたりしてもあまり反応を示さないなど、「個性の違い」という一言で片付けられなさそうであれば医師に相談してみましょう。

親の感情は子どもへ自然と伝染するものです。専門家からのアドバイスを受けつつ、なるべく穏やかに笑顔で過ごせるようにしましょう。

まとめ

生まれたての時期に見られる奇跡的な笑顔は親に反応してるのではなく、あくびなどの生理現象と一緒です。しかし、授乳後の安心して眠っているときによく見られることから、心の満足感の表れではともいわれています。

成長とともに表情も豊かになって、大好きなママやパパの真似をしたり、反応を見たりして赤ちゃんは笑うことを覚えていきます。まずは親からたくさん笑顔を見せてあげることが大切といえます。