ウイルスを寄せつけない「れんこん」習慣…理学博士・和合治久さん

ウイルスを寄せつけない「れんこん」習慣…理学博士・和合治久さん

免疫力を高めるために大切なことは何でしょうか。理学博士・和合教授の研究によると、大切なのが粘膜ケア。粘膜が健康なら、唾液や鼻水、涙、痰などの粘液が出て、病原菌を寄せつけることはありません。粘液には身体を守るムチンといった防御物質が含まれ、ウイルスや細菌を撃退します。免疫について長年にわたって研究してこられた先生に、免疫力を高める生活術を伺いました。

「粘膜力」を減少させる緊張や不安 リラックス作用が高いのは、音楽です

ここで、自分の粘膜力をチェックしてみましょう。

・平均睡眠時間は6時間以下

・目覚めが悪い

・疲れが取れにくい

・運動不足

・肌が乾燥する

・便秘気味

・心配事や不安なことがある

いかがですか? 実は、粘膜力は自律神経と深く関わっています。粘膜は、交感神経(活動モード)が優位になると粘液が減り、副交感神経(リラックスモード)が優位になると、粘液の分泌が増えることが分かっています。

粘膜に悪影響を及ぼすのが、不安・悲しみ・恐れの3つです。特に38歳を過ぎる頃から、身体は交感神経が優位になりやすくなります。ましてやコロナ禍では、いつどこで感染するか分からない不安や恐怖心で、交感神経が優位に偏りやすくなっています。

粘膜ケア法を2つ紹介しましょう。一つは、よく噛むこと。唾液の分泌量が10倍以上に増加します。唾液の分泌が多い人ほど免疫を担うリンパ球の機能が高く、ストレスホルモン「コルチゾール」が減ることが分かっています。

もう一つは、リラックスする音楽を聴くこと。好きな音楽に涙し、勇気づけられ、癒された経験は誰にでもあるでしょう。音楽を聴くと副交感神経が優位になり、粘液分泌量を増やすことができます。

中でも効果が高いのが、モーツァルト。川のせせらぎやそよ風のような一定のシンプルな音が多く、自律神経の中枢に刺激を与える周波数を多く含みます。

現代人は、意識しなければ交感神経が優位になりがちです。そうした中で、毎日のれんこん習慣と、音楽を聴く心のゆとりを持つこと。それがコロナ禍に負けない、今できる最善の免疫向上法といえるでしょう。

<プロフィール>

わごう・はるひさ 日本における免疫音楽医療研究の第一人者。専門分野は、動物生体防御学、腸瘍免疫学、アレルギー学。動物と人間の生体機能と健康の関係を解析。1950年長野県生まれ。東京農工大学大学院修了。京都大学にて理学博士号取得。国際個別化医療学会顧問。著書に『粘膜力でぜんぶよくなる』(ワニブックス)『モーツァルトを聴けば病気にならない!』(ベストセラーズ)など多数。

『れんこんパワーで病気をはじき出す! 粘膜力でぜんぶよくなる』

和合治久著/ワニブックス

定価:1100円(税別)

◇百菜元気新聞の2020年11月1日号の記事を転載しました。

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「たべぷろ」は食のプロや食の知識を持った子育て中のママライターによる働くママに向けたメニュー提案サイトです。仕事から帰って今日の夕飯にもすぐに活用できる15分で完成するメニューを主体に、作り置きや時短の工夫もご紹介。各レシピには、栄養のことや好き嫌い克服方法・リメイクや節約といった働くママが知っておくと嬉しいノウハウが盛り込まれています。
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