意欲に影響!子に言って良いこと・悪いこと

意欲に影響!子に言って良いこと・悪いこと

第3回 自分から勉強する子が育つ方法
「お子さんの学習意欲を引き出すのも、妨げるのも親御さんのちょっとした言動が大きく影響するんです」

そう話すのは、『1日10分で大丈夫!「自分から勉強する子」が育つお母さんの習慣』の著者・村上綾一先生。

実は、子どものやる気を引き出すのはとってもシンプルなことだそう。

「子どもはとってもわかりやすいんです。例えば、マルをあげるにしても、普通のマルではなく、“花マル”というだけで喜び方が全然違います。たかが花マルと決して侮ってはいけません。また、できたときに“やったね!”と言ってハイタッチをしたり、ガッツポーズしたりするのも効果的です。この快感こそが、勉強意欲をどんどん伸ばしていくのです」(村上先生 以下同)

さらに、こんなおもしろい話をしてくださいました。

「例えば、“うちの家系は算数が得意なんだよね!”と言うと、その血が流れていると思うだけで、不思議と子どもはやる気がわいたりするものなんです(笑)」

意欲に影響!子に言って良いこと・悪いこと

一方、やる気を妨げるのも親のちょっとした言動だという。

「まず、計算ミスやテストのミスを絶対に叱らないでください。ミスは誰でもします。オリンピック選手でもします。お母さんだって、たまにお料理の味付けをちょっとミスしたりしませんか? そんなとき、いちいち“塩がちょっと多くない?”なんて指摘されたらカチンときますよね? 子どもも同じで、ミスを叱られると勉強がイヤになってしまいます。次、気をつけようね! それだけでいいんです」

また、“字が汚い”という指摘も、あまりしないほうがいいそう。

「子どもの字が汚いのは、まだ筋肉が発達していないため、うまく鉛筆をコントロールできないからなんです。子どもなりに一生懸命書いているのに字のことばかり言われると、書くこと全般、つまり勉強自体が嫌いになってしまう恐れがあります。筋肉がついてくればある程度の字は書けるようになるので、あまり指摘しすぎないようにしてください」

そして、やる気をもっている子どもに対して決してしてはならないことがあると、村上先生。

「子どもが頑張ったこと、できたことを絶対に“ちゃかす”ことはしてはいけません。お子さんの成長に、どこか親として脅威を感じる部分があるのか、ついちゃかしてしまうケースがあります。しかし、素直にがんばりを認め、心から褒めてあげましょう! それこそが、お子さんの成長につながります」

お子さんの意欲を引き出すも、妨げるも親の言動次第のようです。できることは今日から即実行! ぜひ、勉強を頑張ったお子さんのノートに大きな“花マル”を書いてあげてください。
(構成・文/横田裕美子)

お話をうかがった人

村上綾一
村上綾一
株式会社エルカミノ代表取締役
大学卒業後、大手進学塾の最上位指導や教材・模試の制作を 経て、東京に株式会社エルカミノを設立。出版・教育事業をおこ なう。教育部門「理数系専門塾エルカミノ」では直接授業も担当 し、生徒を東大、御三家中、数学オリンピック、算数オリンピックへ 多数送り出している。
大学卒業後、大手進学塾の最上位指導や教材・模試の制作を 経て、東京に株式会社エルカミノを設立。出版・教育事業をおこ なう。教育部門「理数系専門塾エルカミノ」では直接授業も担当 し、生徒を東大、御三家中、数学オリンピック、算数オリンピックへ 多数送り出している。