二分の一成人式とは
「二分の一成人式」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?大人としての門出を祝う本来の成人式とは違い、二分の一成人式は「子ども」のためのイベントです。まずは、二分の一成人式とはどんなものなのかを確認しましょう。
10歳になったことを祝う学校行事
二分の一成人式は、その名の通り本来の成人式を迎える20歳の半分である「10歳を迎えた子どもたち」のために行われる学校行事です。近年は二分の一成人式を行う小学校が全国に増えてきており、その名も知られるようになってきました。
「文部科学省」の「学習指導要領」に正式に記載されているわけではなく、必ず行わなければならないものではありません。
子どもの成長を祝うとともに、大人になるまでの折り返しの年齢を迎えた子どもに「自覚と家族への感謝」をもってもらうことが目的です。
始まりは兵庫県の小学校から
二分の一成人式の始まりは、「兵庫県の小学校」だったといわれています。小学校の4年生クラスを受け持っていたある教師が「小学校高学年に進級する10歳を迎えた子どものために、ひとつの節目となるような行事を開催したい」と考案したのです。
この行事は、以後4年生の国語の教科書のなかで「10さいを祝おう」という単元として取り上げられるようになり、文集や発表会などの形で全国に広まっていったとされています。
開催する時期
二分の一成人式というイベントの存在を知れば、次に気になるのは具体的な開催時期です。まさに我が子が10歳を迎えようとしている家庭なら、あらかじめいつ学校で開催されるのかを知っておきましょう。学校によっては親子で参加できるイベントであるため、ママもパパも要チェックです。
1月から2月が多い
二分の一成人式の開催時期には決まりがありませんが、多くの小学校では「1~2月」に開催されていることが多いようです。卒業式や入学式のように、体育館に子どもたちが集まり、二分の一成人式のプログラムを進行します。
なかには「10月」や「11月」に開催する学校もあるため、子どもが通う学校の年間予定を確認しておくとよいでしょう。
当日は、1~3時間かけて二分の一成人式が行われます。参加を希望するママ・パパは、スケジュールを確保しておきましょう。
どんなことをするの?
二分の一成人式では、具体的にどんなことをするのでしょうか?体育館もしくはクラスごとに集まって行う、保護者参加型のケースが主流です。入学式や成人式のようなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?
実際、そこまで堅い内容ではないものの、二分の一成人式ではきちんとしたプログラムが用意されることがほとんどです。
将来の夢を発表する
二分の一成人式は子どもたちにとって人生の節目であり、「将来の夢や抱負を発表する時間」が設けられています。
普段は照れくさかったり、あまり真剣に考えていなかったりする子どもでも、改めて自分の人生を見つめ直すよい機会となるのです。
作文を読み上げるものや漢字1文字で思いを表現するもの、写真や動画をスクリーンで映し出す映像形式のものなど、様々なスタイルがあります。
小さな子どもにとっては緊張する場ですが、友だち同士で励まし合って乗り切る様子も見られるなど、子どもの成長を実感できるプログラムです。
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子どもたちの合唱
子どもたちの合唱は学校行事の定番であり、参加者みんなで楽しめます。多くの学校で採用されている曲「10才のありがとう」は、家族や友だちへの感謝や10年生きてきたことへの感慨が込められた曲で、二分の一成人式にぴったりです。
発表のときにはビデオカメラで記録しておけば、将来家族で見返せる大切な思い出になるでしょう。合唱のほか、朗読会や劇などの出しものを採用している学校もあります。
保護者から子どもへの手紙
「保護者から子どもに成長を祝う手紙を贈る」というプログラムも、二分の一成人式で行われる定番です。子どもに対する愛情を言葉にして伝えられるため、子どもにとって大きな思い出となるでしょう。
反対に、「子どもから両親に対して手紙を渡す」こともあります。子どもたちも二分の一成人式のプログラムという形であれば、普段照れくさくてなかなか言葉にできなかった感謝の気持ちを素直に手紙にできるようです。あとから見返しても感慨深いものがあり、親子双方にとって宝物になるでしょう。
記念撮影をする
二分の一成人式の最後には、子どもたち全員で集まって「記念撮影」をすることがほとんどです。学年全体で撮影することもあれば、クラス単位で撮影することもあります。なかには、保護者と一緒に撮影してくれる学校もあるでしょう。
クラスによっては校庭や校舎の前で記念撮影し、「成人式を迎えたらまたこの場所で写真を撮ろう」と約束するような微笑ましいシーンもあるようです。
学校での記念撮影が終わったら、ママ・パパと個別に「写真スタジオ」で記念撮影したり、卒園した幼稚園や入学式のときと同じように「校門前」で撮影したりするのもよいでしょう。
子どもと保護者の服装
二分の一成人式は学校行事であるため、参加するからには服装が気になります。学校の校風や決まりにもよりますが、ここでは二分の一成人式に参加するときの一般的な服装についてチェックしておきましょう。子どもと保護者、両方の服装を解説します。
指定がなければ普段着でOK
二分の一成人式は、入学式や卒業式のようなフォーマルなイベントではないため、学校指定がなければ親子とも普段着で問題ありません。
とはいえ、親子にとって大切な節目となるイベントであることに変わりはないため、大人は常識的な服装で参加しましょう。
派手過ぎずラフすぎず、「大人の上品さ」を感じさせる服装がおすすめです。「授業参観」のイメージが理想でしょう。
ただし、学校によっては親子ともにきちんとした「正装」を指定するところもあります。この場合は、入学式や卒業式と同じような服装を用意すればOKです。
スタジオで写真撮影するなら正装で
フォトスタジオでの写真撮影を予定しているなら、正装を用意しましょう。近年では子どもの通う学校で二分の一成人式がない代わりに、家庭で行うというところも増えています。
フォトスタジオでプロのカメラマンに撮影してもらうと、とてもきれいな写真が残せるでしょう。フォトスタジオでも、「二分の一成人式」のためのコースが用意されているところが増えてきています。
「成人式」と名が付くだけあって、子ども用の着物や袴、ヘアセットが衣装として準備されているとこともあるようです。洋装ならドレスやタキシードにしてもよいでしょう。ママ・パパもスーツやドレスで決めれば、親子にとって思い出の写真になります。
二分の一成人式には賛否の声がある
いいことずくめに思える二分の一成人式ですが、世の中には賛否両方の意見があります。二分の一成人式のメリットとデメリットとして、双方の意見をチェックしておきましょう。
賛成派の意見
二分の一成人式に参加した親からは、「子どもの成長を感じられて感慨深かった」という意見や「感謝の言葉をもらって感涙してしまった」という声が多数見られます。
また、我が子だけでなく、ほかの子どもの姿も見られる機会です。「これまでの子育ての苦労を振り返ることができた」という声もあり、ママ・パパにとっても10年間を見つめ直すよい節目となるようです。
10歳は自我が芽生え、友だちや学校の先生とのコミュニケーションを通して見える世界が広がる時期といえます。
「親の言葉を素直に聞けなかったり、ときに反抗してしまったりする多感な時期に二分の一成人式で親への感謝を伝える機会を得ることは、のちの子どもの成長にも意義があるのではないか」という意見も見られました。
反対派の意見
賛成派が多数いる一方で、反対派の意見も見られます。複雑な事情を抱えている家庭にとっては、「親への感謝の気持ちを強制されたり、ほかの家庭との差を見せつけられたりするイベントになってしまう」という懸念があるのです。
また、「親を感動させよう、感謝しよう」と演出されることに居心地の悪さを感じるという保護者や「子どもではなく親が主役のイベントになってしまう」と考える保護者もいます。
ほかにも、「本来の成人式がちゃんとあるのだから、わざわざコストをかけてまでやる必要はない」とする意見もひとつです。
まとめ
二分の一成人式は、子どもが10歳になったことを祝う学校行事です。将来の夢の発表や感謝の手紙、記念撮影など、子どもの成長を実感できる思い出のイベントだといえます。
「保護者参加型」をとっている学校もあるため、開催時期と参加時の服装をきちんと確認しておきましょう。
二分の一成人式には賛否両論ありますが、大切なのは親子にとって素敵なイベントになるかどうかです。二分の一成人式があるなら、ぜひ家族で楽しみましょう。