●通う学習塾を選ぶうえで大切なのは“慎重さ”と“情報”
今回そんな疑問に答えてくれたのが、国内No.1学習塾・予備校ポータルサイト『塾ナビ』を運営する株式会社イトクロ広報担当の清水さん。清水さんによると、塾選びで大切なのは「通う目的」を定めることなのだそう。
「学習塾に通わせるきっかけで多いのは、『周りの子に合わせて通わせ始めた』というような、なんとなくスタートするケースです。これはあまりお勧めできません。まずは、何のために通うのか、という目的を親子で考えてから決めることが大切です。たとえば、行きたい中学には受験が必要だからとか、勉強の理解を深めたいからというように、学習塾に通う理由をハッキリさせます。そのうえで、じゃあどの塾が適しているのか、という絞り込みをしていきます」(清水さん、以下同)
目的をしっかり定めるためにも重要なのは、情報収集を徹底すること。
「子どもが自主的に行きたいと思わないと、通い始めても長続きしません。そのため、まずは色々な学習塾の情報を集め、資料を請求することから始めると良いでしょう。皆さん、クチコミを参考にしながら大体3~5教室くらいに絞り込んで、資料請求をしていらっしゃるようです。資料を読んで気になる塾を見つけたら、教室見学や体験授業に参加します。実際に足を運んだら、見極めるべきは塾や講師と子どもとの相性です。どんな授業をしているかや、料金体系を気にされる保護者の方が多いのですが、じつはこの相性が大切です。塾の雰囲気や、授業への取り組み方などを確認して、帰ってから本人の意見を聞くようにすると良いでしょう」
せっかく通い始めたのに、本人が嫌になって通わなくなるようでは月謝も無駄になってしまいます。決めるまでに慎重に比較検討することで、長く通える本人に合った塾を選ぶことができると思います。
●学習塾に通わせて早いうちに勉強の習慣を身につける
とはいえ、難しいのはやはり通わせるタイミング。小学生に上がってすぐに学習塾に通わせるのはちょっと早すぎはしないでしょうか…?
「最終的には、お子さんの意思を尊重するべきだと思いますが、勉強を習慣づけさせるという意味では、早くから学習塾に通うこともひとつの選択肢です。もちろん学校の授業でも勉強への向き合い方は身につきます。ただ、もし授業について行けなくなってしまったり、遅れてしまうと学習意欲が高まらず、勉強を強制的にやらされているような感覚になってしまうこともあります。その学年で学んだことの理解が不十分だと、学年が上がるにしたがって問題も大きく膨らんでいってしまいます」
中学受験をしない場合でも、高校受験対策は多くの子どもが取り組むもの。小学校の最初のつまずきによって、その後の学習への取り組み方が大きく変わり、将来の進路や人生にも大きな影響を及ぼしかねません。
勉強の得意不得意問わず、学習塾に通わせることで得るものが多いのも確か。周囲の状況に流されるのではなく、子どもの通いたいという意思を尊重することが大切なポイントかもしれません。
(文・末吉陽子/やじろべえ)