「まず、子どもの目の前に大好きなお菓子がズラリと並んでいたら、ほしくなるのは当たり前! ということを理解してあげましょう。大人だって、新製品のお菓子をつい衝動買いしてしまうことありませんか? しかも、お店側はあの手この手を使って購買意欲をそそるように仕掛けています。最後の最後の営業戦略でレジ横にはガムや飴が置いてあることもあります。ですから、誘惑に負ける子どもを責めてはいけません」と、話すのは『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者・立石美津子さん。
では、具体的にどのように対処していくべきなのでしょうか?
●泣きわめく子どもへの対処法は「事前の約束」
「大事なことは、前もってお子さんと約束を交わしておくことです。約束もしておかないで泣きわめいたからといって叱ってはいけません。前もってといっても、店に入る直前に言い聞かせるのは時間的にあまりにも短かすぎます。家を出る前にきちんと伝えることが肝心です」(立石さん 以下同)
その言い方にも重要なポイントがあるそう。
「きちんと座らせ、大人も子どもと同じ高さに座り、目と目を合わせます。そして淡々と低い声で “今からお買いものに行きます。今日はお菓子は買いませんよ。約束守れるかな?”と、“です・ます調”の丁寧語で言います。子どもながらに“これは大事なことなんだな”ということ察します。これだけでかなり効果があります。そしてちゃんと我慢できたときには必ず、“ほしいのに我慢できて偉かったね!”と、褒めてやりましょう」
それでも“買って~”とほしがったときは…。
「“これ、確かにおいしそうね。すごくほしいよね”と、まずはお子さんの気持ちに寄り添って共感します。そして、約束したときと同じように低いトーンの声で淡々と“でも、今日は買わないって約束したよね”と、約束を思い出させます。これでも泣き叫ぶ場合は、決して泣き声に負けて買い与えてはいけません。もし、周りの目を気にして“しょうがないわね~”と買い与えてしまえば、子どもは“泣けば買ってもらえる”と学習してしまいます。ここは親のブレない信念が重要です。長い人生は、思い通りにならないことの連続です。親子で我慢を学ぶ絶好のチャンスと思いましょう」
そして、もうひとつ立石さんが大切なことを教えてくださいました。
「ただし、何回かに1回はお菓子を買ってあげてください。完全に“禁止”していつも我慢させてしまうと、よりお菓子に執着するようになったり、親に隠れて食べるようになったりするなど、その反動による弊害が必ず出てしまいます。何事もバランスが大事です。たまにはお子さんの思いも叶えてあげましょう」
ただやみくもに“ダメ! ダメ!”ではなく、まずは子どもの気持ちに寄り添うこと。そしてするべき“しつけ”は親としてしっかりする。その思いは、きっと小さい子どもにもしっかり伝わるのでしょうね。
(構成・文/横田裕美子)