『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者・立石美津子さんは、こう話します。
●パパ・ママ呼びの卒業期は小学校入学のタイミング
「この時期でなければいけない! という決まりはもちろんありませんが、早いにこしたことはありません。なぜなら、時間が経てば経つほど一度ついてしまった習慣を変えるのは大変になるからです。“パパ・ママ”を卒業する絶好の時期としては、小学校入学のタイミングをおすすめします。幼稚園から小学校というのは、社会生活への第一歩であり、自立の第一歩です。義務教育がはじまり、一人で行動するようになり、勉強もはじまり、子どもたちにも自覚が芽生えます。やる気と希望に満ち溢れているこの時期なら、子どもたちも受け入れやすいのではないでしょうか?」
とはいえ、途中で改善するのは親子共々やはり大変。もし、トライできるのであれば、はじめから“お父さん・お母さん”と呼ばせてみるのもひとつの方法。
「1歳でも、舌ったらずの可愛い声で“おとうたん おかあたん”と言えるようになります。まだ“おとうさん おかあさん”と明確に言えなくても、脳にはきちんとインプットされていますので、4~5歳になって舌の発達機能が整ってきたら、正確に発音できるようになるので心配はいりません」(立石さん 以下同)
ただし、親が気をつけるべき注意点があるそう。
「お子さんの発音が可愛いからといって、親御さんが“おかあたんに それちょうだい”など、真似して話さないでくださいね。大人が一緒になって幼児語を使ってしまうと、正しい発音が頭にはいらず、なかなか幼児語から卒業できなくなってしまいます。また、お子さんが“パパ・ママ”からの卒業する際も気をつけてほしいのは、お子さんがせっかく“おとうさん おかあさん”と言い始めているのに、親御さんがつい“ママに言ってね”など、それまでの習慣で“ママ”の状態では意味がありません。親子で協力して改善していきましょう」
さらに、小学生になったら“人前で身内のことを伝える言い方”もお子さんに身につけさせなければならないという。
「小学校入学を機に“お父さん・お母さん”と言えるようになったら、3年生くらいからは、人前で身内のことを言うときは“父が”“母が”、お祖父ちゃん、お祖母ちゃんではなく“祖父が”“祖母が”と言えるように教育しましょう。言葉遣いはとても大切です。正しい日本語の環境をお子さんに与えてあげることを、日々意識してみましょう」
“子は親を映す鏡”。子どもの言葉を注意する前に、まず親自身が正しい言葉への意識を持ち、環境を整えてあげたいものですね。
(構成・文/横田裕美子)