特に、ベテランママなどに言われると、自分の家のしつけが間違っているのかと不安になることもあるけど…。
もちろん、親切心で言ってくれる人、参考になるものもあるけど、全部を間に受けていたら、キリがない。「わが家のしつけ」を押し付けてくるママには、どのように接すれば良い? 日本心理教育コンサルティング代表・櫻井勝彦先生に聞いた。
「人は自分の意見や考え・視点が正しく、一般的だと思い込んでしまう傾向があります。これを心理学用語では『フォールス・コンセンサス』といいます。ママ友が、自分のしつけ基準を押し付けてくるのも同様の理由です」(櫻井先生 以下同)
例えば、「自分が塾に通って、良い大学に入り、良い人生を送った→子どもを塾に通わせる」という主張も、「塾などに通わなくても自分は良い人生が送れている→子どもは塾に行かせなくて良い」という主張も、いずれも「フォールス・コンセンサス」によるものだそう。
「人は、自分の経験した人生しか知らないため、違う人を見るとあれこれ言いたくなるもの。例えば、目玉焼きに何をかけるか、バスタオルの洗濯を毎日するかどうかと同じで、しつけに関しても、何か言われたとき、批判されたとき、『そういうものだ』と思っていれば良いのです」
●ほかの人の意見は「学び」と考える
他人の生き方・意見にはそれぞれ立場があり、良い・悪いで線引きをするのは難しい。だが、何か言われたら「学び」と考えてみるのが、オススメだそう。
「何か言われたとき、『それは違う』という態度だと、相手は余計に強く出ます。受け流していても、相手はカチンとくるでしょう。でも、どんな意見でも受け入れる態度でいれば、相手もガス抜きできて、ネチネチ言わなくなると思います」
また、批判してくる人には、親切心からと、そうでない人がいるが…。
「いずれにしろ、いったん自分の考えを入れずに、『こう考える理由は何だろう』と、考え方のしくみを考えながら、講義を受けるような気持ちで聞いてみましょう。そのほうが楽ですし、何かしら参考にしておこうというスタンスのほうが得ですよ」
ちなみに、自分のしつけ基準を押し付けてくるママ友を「参考にすべきかどうか」は、そのママ友と子どもを観察してみると良いそう。当の本人の子が問題児という場合は、気にする必要はなさそうだ。
(田幸和歌子+ノオト)