女の子のしつけで注意すべきこと

女の子のしつけで注意すべきこと

第1回 わが家の”しつけ基準”間違ってない?
男の子に比べて「手がかからない」といわれることの多い女の子。その分、言葉遣いや片付け、優しさなど、男の子より細かく親に注意され、萎縮してしまうケースもあるそう。

女の子のしつけで注意すべき点について、日本心理教育コンサルティング・代表の櫻井勝彦先生は言う。

「例えば、『なんで片付けないの?』『汚い!』といつも怒られていると、『片付ける』ことと『恐怖・不快感』が結びつき、キレイでないことに恐れを感じるようになって、潔癖症や強迫性障害になる恐れもあります」(櫻井先生 以下同)

片付けさせたいなら「キレイにしようね」、できたら「エラいね」と声をかけ、喜びの感情と結びつけていくことで、放っておいても片付けるようになるそうだ。

また、女の子の場合は厳しくしつけると、親や周りの人の顔色を見たり、空気を読んだりして、自分の意見を持てない・主張できない子になってしまうこともあると聞く…。

「確かに、女の子の場合は特に、共感しあうコミュニケーションが多いため、相手と違う意見を言うとケンカになるとか、合わせなきゃいけないと思ってしまう傾向がありますね」

だが、これは親子の会話のなかで、変えていくことができるそう。

女の子は、意見をくみ取って、すり合わせるのがポイント

●女の子は、意見をくみ取って、すり合わせるのがポイント

「『アサーション』といって、自分も相手もお互いに自分の意見を言いながら、ケンカではなく、すりあわせていくコミュニケーション技法があります。親子でも、親が自分の意見を子どもに一方的に言うのではなく、子どもの意見をくみとりつつ、すり合わせをすることは必要だと思います」

例えば、買い物やご飯のとき。「何が欲しい?」「何が食べたい?」と聞いてみる。そこで大切なのは、「中庸をとること」だそう。

「子どもの願いをすべて叶えてしまうと、自分の考えが、幼稚園・保育園や学校でも全部通ると思ってしまいます。だから、意見を聞いたうえで、親の意見も言い、間をとっていくことにより、自分の言葉で自分の考えを話すこと、ケンカではなくすり合わせしていくことができるようになると思います」

ちなみに、親の察しが良すぎると、先回りして子どもの望むことをしてあげてしまうことも多く、「自分で伝えようと努力しない=表現力が育たない」というデメリットもあるそう。

手がかからない女の子だからこそ、親の言い分を一方的に押し付けず、まずは発する言葉に耳を傾けてみては?
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

櫻井勝彦
櫻井勝彦
日本心理教育コンサルティング
文学修士(社会心理学)、日本心理学会認定心理士、中央労働災害防止協会認定心理相談員。全国の学校・企業・自治体で心理学を活用した講義や研修、カウンセリングを行う。
文学修士(社会心理学)、日本心理学会認定心理士、中央労働災害防止協会認定心理相談員。全国の学校・企業・自治体で心理学を活用した講義や研修、カウンセリングを行う。