「子ども同士のトラブルでは、相手を著しく傷つけた場合、加害者のときは、親が出て謝罪すべきでしょう。でも、被害者の場合は、程度にもよりますが、子どものためにはできるだけ口をはさまないほうが良いかと思います」(櫻井先生 以下同)
もちろん深刻ないじめなどは、親も放置しておけないもの。だが、ちょっとしたいじめなどで親が出ていって、トラブルを解決してしまうと、「トラブルから解決法を考える」という、子どもの大切な成長のチャンスを奪ってしまう可能性もあるそうだ。
「よく『放任』か『過保護』かが論じられますが、いずれにも問題点があります。過保護の場合は、子どもの自立を阻んでしまいますし、放任の場合は子どもの自立が促進される一方で、まだ正しい知識や判断力が持てていない場合もあり、あまりにひどいと、犯罪などにつながる場合もあるのです」
●トラブル解決は、見守り&サポートを!
では、親のほどよい見守り方とは?
「過保護でも放任でもなく、トラブルを子ども自身がどうやって解決するかを見守り、『サポート』することです。『トラブルがすべてマイナスではない』と頭で理解し、自分と子を成長させるチャンスととらえましょう」
本人の話をよく聞いてあげ、対話すること。そして、どう乗り越えるかを一緒に考え、ときには助言してあげることも大切。
また、サポートは子どもが小さい頃ほど多めにし、成長にともない、徐々に手を放していくことが必要だそうだ。
「ちなみに、子どもがトラブルを起こすときは、家庭に原因がある場合も考えられます。夫婦関係が円満か、子どもに小言ばかり言っていないか、子どもをホメてあげているか、成績ばかりで評価していないか、見直す必要もあるかもしれません」
櫻井先生いわく、「人生はひとつの教科書」。トラブルが起きるときは、「これまでのやり方が何か違っていた」ということを教えてくれる合図と考え、夫婦関係・親子関係を見つめ直してみては?
(田幸和歌子+ノオト)