「私も一人っ子についてはよく相談をうけますが、一人子に対する偏見がいまだに根強くあることにいつも驚かされます。きっと、そういう話を聞かされるたびに一人っ子をお持ちの親御さんは不安な気持ちりになることでしょうね。しかし、“一人っ子がわがままで自己中心的”などという事実はまったくないと思います。長年、学校で多くの生徒と接してきましたが、そう感じたことは一度もありません。また、それを実証した研究などもありません。子育てや教育の世界によくある集団的勘違いに過ぎませんので、どうか心配しないでください」
そう話すのは、教育評論家の親野智可等(おやの・ちから)先生。むしろ、一人っ子についての現実は、真逆だという。
「一人っ子は、親御さんの愛情を一身に受けているので、愛情で満たされている子が多いんですね。両親のみならず、両家のおじいちゃん、おばあちゃんも含めば6人の愛情を独占できる子もいるのですから、心が安定し自信を持つことができます。つまり、自己肯定感を持ちやすい環境なんですね。自分が愛情で満たされているから、人にも分けてあげられますし、兄妹がいる子に比べマイペースに自分らしく生きられるのです」
●一人っ子=わがまま、という偏見に振り回されないように!
こんな現実とは裏腹に、一人っ子への偏見があることで、親御さんが過度に反応して“一人っ子はマイナス点がある”と思い込み、一人っ子の子育てに悪影響を及ぼしてしまうケースも少なくないという。
「“やっぱり一人っ子だからわがままね”などと言われたくないがために、親御さんが“わがまま言うんじゃありません!”と叱ることが増え、厳しくしなくてはと過度に思ってしまう。それは一人っ子にとってはつらいですよね。そうなると逆効果で、子どもは愛情不足を感じるようになり、心が満たされなくなります。そういう状態では、友だちを思いやることもできませんし、かえってわがままになってしまいますので気をつけてくださいね!」
親が偏見に惑わされて、一人っ子のせっかくの人生を台無しにしないように、目の前のわが子に惜しみない愛情をたっぷり注いであげてください!
(構成・文/横田裕美子)