「大切なのは、子どもとコミュニケーションができる配置になっているかどうかです」
こう話すのは、建築士で間取りアドバイザーの坂口亜希子さん。とくに小さな子どもがいる家庭であれば、家事の中心になる人から考えて、「子どもが何を見ているのかわかる距離感に配置するのがいい」という。
「たとえば、調理中に手が離せなくて子どもにテレビを見ていてほしいと思うのであれば、自分も調理をしながらテレビの画面を見ることができる配置に。子どもがどんな番組を見ているのか分かれば、何かをしながらでも話しかけられますよね」(坂口さん 以下同)
テレビをコミュニケーションツールとして考えよう!
さらに、テレビを子守りの手段として使うのではなく、コミュニケーションの手段として考えることで、必然的に配置は決まってくるのだとか
「テレビを個室に置いてしまったら、子どもと会話ができません。テレビに背を向けて調理をしていたら、子どもがどんな番組を見ているかわかりません。あくまでも『子どもと一緒にテレビを見るには?』ということを考えて配置を決めましょう」
子どもは親が一緒にテレビを見ていることが分かると、こちらから特に話しかけなくても、なんだかんだと自分から話しかけてくるもの。子どもにとって、親に話しかけやすい距離感も重要になるのだ。
賃貸物件では構造上、テレビの配置を変えにくいこともある。その場合は、生活導線を工夫するなどして、より良い配置を考えていきたいもの。その間取りにおいてベストなテレビの配置は、わが子とのコミュニケーションが生まれる配置なのだから。
(根岸達朗+ノオト)
お話をお聞きした人
坂口 亜希子
住宅の間取りの専門家。マイホームを新築する家族に主婦目線で間取りのアドバイスを行っている。ブログ「失敗しない間取り相談」が新築を検討している家族に人気。
住宅の間取りの専門家。マイホームを新築する家族に主婦目線で間取りのアドバイスを行っている。ブログ「失敗しない間取り相談」が新築を検討している家族に人気。