●噴火したら、都市インフラはどうなる?
噴火によって、火山近辺では火砕流や溶岩流、噴石の飛来などが起こるため、まず近隣にお住まいの方は、指示に従って迅速に避難しなければなりません。
また、火山近辺にお住まいでない方も、火山灰による被害を想定しておくことが大切です。江戸時代中期に発生した、富士山の宝永大噴火では噴火は約2週間続き、噴煙は上空20kmまで上昇。偏西風に乗って、約100km離れた現在の東京や千葉にまで降灰が続いたといいます。
風に乗って雪のように降り注ぐ火山灰ですが、降り積もったところに雨が降り、水分を含むことで重みを増し、1991年のフィリピン・ピナツボ火山噴火時は、多くの家屋が倒壊しました。昨今増加が問題視されている、街の空き家近隣の方は注意が必要かもしれません。
火山灰がもたらす被害は家屋だけに限らず、インフラも深刻です。火山灰がレールに降り積もることで電車はスリップしやすくなるだけでなく、電力供給が止まることで信号や運行システムなどの電子機器系統が故障してしまう恐れもあります。電車の運行停止も考えられます。自動車も火山灰で路面がスリップしやすくなるため、通行止めや速度制限から渋滞が予想されています。また、火山灰は自動車のエンジンやオイルのフィルターを詰まらせ、フロントガラスを傷つけるため、自動車自体にも被害を与えるのです。
火山灰は水に溶けることがなく、水を含むと重く、固まっていきます。大量に下水に火山灰が流れ込むことによって排水溝がつまり、下水道が使用不能となるケースも考えられます。桜島では、フッ素が含有された火山灰が貯水池に降灰したため、浄水場が停止したことがありました。上水道の取水方法は、地下水、河川、湧水など、エリアによって様々ですが、火山灰が降積しやすい水源エリアでは上水道も注意が必要です。また、そもそも送電の停止によって、浄水場が停止してしまうリスクもあります。

●噴火後に携帯電話・スマホは通じるの?
さて、各都市インフラが平常通り機能しにくくなることはわかりましたが、現代人の一番のライフラインといえば、やはり携帯電話やスマートフォン。安否の確認にも大切なツールです。噴火や降灰時には、通話・通信が可能なものなのでしょうか? NTTドコモ広報部に問い合わせたところ、「噴火の規模や降灰の有無に関わらず、輻輳(ふくそう:処理能力を超える通話や通信が集中し、つながりにくい状態になること)が発生し、一時的に利用しづらい状況になる可能性はある」とのこと。家族や友人の安否は気になりますが、むやみやたらに連絡をするのは逆効果。
ちなみに、屋外公衆電話の故障も増えることが予想されています。火山灰がコインやテレホンカードを入れる挿入口から入り込むことで、誤動作を起こしやすくなるのです。万が一の場合、家族や親戚と連絡を取る手段や方法について普段から話し合っておくことが大切そうです。
箱根山はいまだ緊張状態が続いていますが、噴火が起きるのか・起きないのか、起きた場合、その規模はどのくらいになるのか、正確な予想は誰もわかりません。正しい知識を身に着けて、いざという時に備えましょう。
【追記】2015/6/16 11:00
気象庁は、浅間山山頂火口周辺で小規模噴火が起きたことを発表しました。今後も気象庁や自治体などが出す情報に十分ご注意ください。