周りに迷惑をかけないように、空気を読むように、協調性を求められて育ってきた人に多く、なかでも女性には特に多いという。そう思うと、人の目を気にするのは当たり前のことにも感じられるけど…。
「アザコン」の定義と問題点とは? ソーシャルヘルス・コラムニストでエッセイスト、パピマミライターの鈴木かつよしさんに聞いた。
「『アザコン』という言葉は、知人の精神科医も使っていますが、もともとは民放テレビ局が作ったメディア発の造語のようです。日本人は人目を気にする傾向にあるので、軽いアザコンであれば誰でも持っていると思います」(鈴木かつよしさん 以下同)
SNSの発達などの影響もあり、「アザコン」は主婦や若いお母さんに多く見られるそう。でも、それってどうして?
「自分だけでなく、お子さんのことがかかわると、余計にアザコンになるお母さんたちは多いようです。たとえば、経済力に見合わない塾や私立の学校に子どもを通わせて、生活を圧迫してしまったり、『年をとったお母さん』だと思われないよう、プチ整形したりするケースもそうですね」
また、SNSを使った毎日の過剰な“幸せアピール”などもアザコンの表れらしい。
●人目を気にするのは悪い側面ばかりだけではない
「気をつけなければいけないのは、『人からどう見られるか・思われるか』ばかりが気になり、次第にそれが行動原理の基準になってしまうケースです」
すると、「見られたい自分」を演技してしまい、自分を見失ったり、ひどい場合には虚言症になったりするケースもあるという。
「ただし、人目を気にすることが悪いというわけではありません。それが必要な場面も多数ありますし、人目が気になるからこそ、向上心を持ち、成長につながる良い面もあります。社会生活を普通に送れているなら問題ないですが、それによって自分自身をもだまし、苦しめるような場合は注意が必要です」
「太った」と本人が言っても、周りにはわからない場合が多いように、「他人にどう見られるか・思われるのか」も、単なる自意識過剰で、実際には周りは他人にさほど注目していない場合が多いもの。そう思えば、少し楽になるのかも?
(田幸和歌子+ノオト)