ソーシャルヘルス・コラムニストでエッセイスト、パピマミライターの鈴木かつよしさんは、「一概に悪い面ばかりではない」と言いつつも、以下の問題点を指摘する。
「アザコンの親は、『親戚の〇〇ちゃんが有名私立中学に受かったんだから、お前も頑張れ』などと子どもに発破をかけるケースが多数あります。それで頑張れる子もいますが、みんなができるわけじゃない。問題なのは、ダメだったときです」(鈴木かつよしさん 以下同)
アザコンの親の場合、見栄ばかり気にするため、子どもが思うようにならないとき、努力の過程を見ずに、責めてしまうケースも多いよう。そこから、親子の信頼関係に傷がつく場合もあるという。
●アザコン改善には、夫婦仲や家庭状況の振り返りが鍵に
また、アザコン育児になるかどうかは、実は夫婦仲による部分がいちばん大きいのではないかと鈴木さんは言う。
「人目ばかり気にしている奥さんに、ダンナさんが声をかけてあげ、理解してあげるだけで、不安は和らぐことが多いと思います。それに、ダンナさんと会話の多い奥さんは、他人がどう思うかよりも、自分の家庭のなかで完結することが多いですから」
まずはいちばん身近な夫と向き合い、話をしてみること。「考えすぎ」と言ってもらえるだけで、ずいぶん気持ちは楽になるかもしれない。
「ちなみに、女性は空気を読み、人目を気にする傾向が強いですから、ママが軽いアザコンの場合にはそれほど気にしすぎなくて良いと思います。問題なのは、パパがアザコンであるケースです」
父親は子どもにとって、社会の象徴であり、与えるプレッシャーも大きいそう。厳しすぎる父親に子どもが押しつぶされるケースもあるだけに、その場合は母親がフォローするなど、子どもの心のケアをすることが大切かもしれない。
「隣の芝生は青いとよく言いますが、大切なのは、人がどう思うかでなく、自分の家族がどう楽しく過ごせるかですよね」
人目ばかり気になる人は、まずは自分の夫婦関係や家庭の状況を振り返り、家族としっかり話をしてみることが必要かも。
(田幸和歌子+ノオト)