●母であっても自分の時間はしっかりキープ!
お話をうかがったのは、2男3女のお子さんの育児を経て、現在は企業の代表、大学院生という多彩な顔を持つ大葉ナナコさん。現在一番下のお子さんは中学二年生で、育児はひと段落したという大葉さんに当時の日常を振り返っていただきました。
「当時は自分で自分のことを『69(ロック)な母』と名付けていたのですが、朝の6時から9時までは育児家事に専念し、それ以外は自分の時間と決めていましたね。まず6時に起きたら、洗濯物を干してお弁当作るなど、母親がするべき仕事を終わらせて、9時までに保育園に連れていきます。そのあとは9時から18時まで仕事をして、19時半には夕食、お風呂に入って21時に寝かしつけて、そこからは自分の時間として使っていました」(大葉さん)
このスケジュールを毎日こなすために、職場、保育園まで10分で通える場所に住み、その3カ所のトライアングルのなかで生活をしていたそうです。
●働きながら5人の子どもを育てるのは当たり前
29歳から大学の通信教育に通い経済学や心理学などを専攻。現在は筑波大学大学院に通っている大葉さんですが、36歳のときに会社を立ち上げ、現在も代表も務めていらっしゃいます。バリバリのワーキングマザーでありながら、5人の子どもを育てるのは大変ではなかったのでしょうか?
「母親として育児に専念する時期は必要だと思いますが、私の場合は専業主婦という選択肢はなかったですね。美術系の短大に通っていたので、長男の出産後からグラフィック関係の在宅ワークをしていました。子どもが何人いようが働いて当たり前、という感覚です。あと我が家では、“家族の仕事、略して家事”という鉄則があるので、子どもたちにも年相応の家事はやってもらっています。ちなみに、いまは次男が米とぎと洗い物を担当しています。今の時代は男女とも家事と生活は切り離せないものですし、手伝って貰っているというより教育の一環として考えていますね」
子育ても仕事も勉強もこなせるママは特別な能力を持っていると思いがちですが、大葉さんは『能力は磨くもの』と断言します。毎日のタイムマネジメントと家庭のルールを決めてしまえば、あとは実行するだけ! 子だくさんママだけでなく、どんなママでもお手本にしたい家庭の切り盛り方法かもしれません。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)