●食費や消耗品の支出は知恵と工夫で抑える
共働きで5人のお子さんを育てていたという大葉さん。稼ぎ手が2人いることで余裕があるとはいえ、食べ盛りの子どもたちを養うためには、やはり工夫も必要だったとか。
「大切にしていたのは、優先順位ですね。たとえば、子どもの洋服にかける費用は、優先順位の下の方。サイズもすぐ小さくなってしまうので、誰かからおさがりを貰ったり、上の子が着られなくなったものを私がリメイクしてみたり。ちなみに、二人目の子どもまでは、いちから洋服を作っていましたね」(大葉さん、以下同)
また、食費を抑えるためのこんな工夫も。
「家族7人だと5キロのお米が5日でなくなってしまうので、かなりの出費になります。そこで、お米は知り合いのつてで、農家に交渉して直接買っていました。子どもがたくさんいる家庭は、産地直送のお取り寄せはマストですね。あとは、スーパーで細々と買わずに、食材購入は月に2回と決めて、まとめ買いしていました」
ちなみに、子どものいる共働き世帯は、いざというときに預けるベビーシッター費用もかさみがちですが、大葉さんの場合は、人脈を駆使することでコストを抑えたといいます。
「私の場合、近所にあった犬猫トリマーの専門学校の前で、生徒の女の子をスカウトしていました。最初は、子どもの誕生日に参加してもらって、子どもがなついた女の子にベビーシッターを頼んだりしてもらっていましたね。普通のベビーシッターを雇うより、費用を大幅に抑えられました」
●家族7人の思い出はお金で買えない貴重なもの
このように日常生活の節約は欠かさなかったという大葉さんですが、一方で家族の思い出づくりのためには思い切ってお金を使ったそうです。特に、大事にしたのが家族旅行。
「我が家の贅沢はとにかく旅行ですね。子どもたちがまだ小さい頃に、ドラマ『北の国から』をレンタルしてきて、全巻観てから富良野へ旅行に行って北の国からごっこをしたりしていました。家族全員の思い出を作りたいという気持ちは今でも強いですね。それもあってか、長男は大学生のときに最低限の所持金でヒッチハイクして旅をしていたりして。お金で買えないものの価値を子どもの頃に理解させるのは大事なんじゃないかな」
「限られたお金で贅沢をしようとするのではなく、やりくりによって人生を豊かにするクリエイターになるべき」と大葉さん。創意工夫をしながら、家計をやり繰りする心構えが子だくさん家庭には必要なのかもしれません。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)