●子どもとの「1対1デート」は欠かさない
兄弟・姉妹が多いとどうしても気になるのが、親の愛情が平等にいきわたらない可能性。結果、一人ひとりに寂しい思いをさせてしまうのでは、と心配になってしまいますが、それもママの心掛け次第と大葉さんは言います。
「子どもが寂しさを感じるとすれば、『ママに自分だけを見てほしい』という気持ちが芽生えたとき。ほかの兄弟や姉妹に嫉妬してしまい、心がカサカサになってしまうんです。嫉妬は兄弟げんかのもとにもなります。では嫉妬がどこから生まれてくるのかといえば、やはり親が平等に愛情を注げていないからということになります。そんな『嫉妬マネジメント』のためにも、子どもひとりずつと意識的に向き合う『1対1デート』の時間を欠かさず設けるようにしていましたね」(大葉さん、以下同)
また、学習についても、「あくまでもその子に合ったチャンスを与えることを考えていた」といいます。
「『自分が一番大好き』『自分が誇らしい』と思える子に育てたいと思っているので、それぞれの子どもの特性に合った学習環境を与えてあげることを意識していました。どんどん競争するのが合っている子は集団授業の塾で、集中できないなと思ったら家庭教師にする、というようにその子に何が合うのか見極めることに力を入れていましたね」
また、大葉さんの場合、勉強の動機づけも独特です。
「よく子どもたちには、『将来大人になったときに、いつも助けてもらってばかりの人になるのか、誰かを助けられる人になるのか、どっちがいい?』と話していましたね。目先のテストで何点取るとかはどうでもよくて、学ぶことで将来がどう変わるのか、人生の地図を描かせたいと思っていたんです。本来勉強ってすごく楽しいことだと思うんですよね。それを子どもたち5人が共有することで、いい循環が生まれると思うんです」
兄弟や姉妹は、人生の先輩後輩。下の子どもが上の子どもから学ぶことが大きいと考え、長男の教育にはしっかり力をいれたそう。その効果もあってか、現在は勉強や就活の面倒も兄弟・姉妹でみているとか。
「幸せな自立(律)した大人を一人増やすというのが、子育てのゴールです。親は子どもに多くを望むのではなく、どれだけのチャンスを与えられるかだけ考えればいいと思います」
頭を抱えがちな子どもの教育も、アイデアと楽しみ方さえ分かっていれば、子どもが何人いようとも意外と乗り越えられてしまうものなのかもしれません。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)