「産後に女性がセックスしたくないと思うようになる原因は、いくつかあります。ひとつは、傷口が開いてしまうんじゃないか、あるいは痛みがあるんじゃないかという不安です。また、出産で体型が変わってしまったことで、ご主人が受け入れてくれるかどうかという不安もあるようです」
スタイルが変わってしまうことで、女として見てもらえないのではという不安を抱く女性は意外と多いそう。「体型の変化を気にしすぎている」と生駒先生はいう。
「また、子どもが隣に寝ていると、『自分のなかの女の部分を出したくない』と思い、セックスしたくないと感じる方もいます。子どもの夜泣きでお母さんが疲れきっているのに、ダンナがしつこいとか、授乳中にはオッパイがはるので、やめてと奥さんが言っているのに、ご主人が求めてきてしまうことで余計にイヤになるなんて方もいますね」
一方、男性側がいつ再開して良いかわからず、奥さんの体を気づかって遠慮しすぎてしまう。そして奥さんも自分から口に出せず、遠ざかってしまうというケースもあるそう。
●産後にセックスしたくなくなるのは、疲れも原因
「産後のセックスのとらえ方には、大きくわけて3つのタイプがあります。ひとつは、気持ちが完全にお母さんになってしまい、セックスが必要なくなってしまうタイプ。もうひとつは、逆に『なんで私のほうを振り向いてくれないの?』と寂しく感じるタイプ。それから、セックスに全く興味がなくなってしまい、むしろ拒否反応を示すというタイプもあります」
難しいのは、産後のセックスに対する考え方が単純な性欲の強さの差でもなく、産後にガラリと変わる人もたくさんいることだ。それは性格の違いや、相性の問題もあるものの、「育メンパパかどうか」という部分にも関係しているという。
「いくら育メンが増えていると言われていても、いまも育児をしているのはほとんどが女性ですから、お母さんたちは疲れているのです」
セックスしたくないと感じるのは、まだ出産の疲れが癒えていない、あるいは育児や家事の疲れがたまっている証拠ともいえる。無理せず焦らず、楽しめるときを待つのも良いのかも。
(田幸和歌子+ノオト)