産後セックス、そもそも必要?

第4回 他人には聞けない産後セックス問題
子どもを産んでから、セックスレスになる夫婦は少なくない。なかには、「夫婦仲が良いなら、産後のセックスって、そもそも必要?」と思う女性もいるよう。

確かに、両者の気持ちが同じなら、産後のセックスは無理にしなくても良いのかも? こうした疑問について、川島産婦人科医院・副院長の生駒美穂子先生は言う。

「夫婦の気持ちが一緒であれば、セックスはなくても特に問題はありません。ただし、『セックスはしなくて良い』と思っているのが、相手の本心かはわかりませんよね」

たとえば、自分はしたいのに、相手に気をつかって「しなくても良い」と考えているケース、逆に相手が気をつかってくれているだけというケースもあるそう。

「セックスについて、夫婦で話し合っている家庭は少ないですよね。奥さんのほうも『自分から口にすると、相手にしつこいと思われそうでイヤ』と言う人もいますし、『恥ずかしくて私は言えない』と言う人もいます。互いの気持ちが通じているのかどうかは、ダンナさんとしっかり話してみるべきだと思います」

黄緑色の色鉛筆

●産後のセックスレス、2人目を考えるなら早めに話し合って

実は、既婚男性のなかには「セカンド童貞」などと自虐的に言う人もいるらしい。これは、出産後、男性側はセックスしたいのに、奥さんが子育てなどに忙しく、ダンナさんの相手をしてくれなくなってしまうこと。それが悩みになっている男性もいるようだが…。

「女性の心の問題は大きいですね。たとえば、最近多いのが、仕事をしながら子育て・家事をしていて、女性が疲れてしまっているケース。男性側が女性の苦労をわかろうとしない場合は、特にこうした問題が起こることが多いかと思います」

本来は、産後でもセックスしたいと感じるのが自然なことだそう。それが、「したくない」と思うなら、そうなってしまう心と体の余裕のなさと向き合ってみることも必要かもしれない。

夫婦の気持ちが一致していれば問題ありませんが、注意したいのは、出産には年齢が大きく影響すること。もし、いずれかが2人目をほしいと思っていて、それを伝えられないまま年齢を重ねてしまうと、35歳以上は高齢出産になりますし、染色体異常などのリスクも高くなってしまいます」

「セックスレスでも仲良し」の夫婦でも、もしこの先、子どもが欲しいと思うのであれば、早めに家族計画について考えてみる・2人で話し合っておくことは必要といえそうだ。
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

生駒美穂子先生
川島産婦人科医院 副院長
日本産婦人科学会認定医。母体保護法指定医。日本アロマセラピー学会認定医。実父の院長とともに女性の「心」と「体」をケアする診療と地域に密着した医療に携わる。
日本産婦人科学会認定医。母体保護法指定医。日本アロマセラピー学会認定医。実父の院長とともに女性の「心」と「体」をケアする診療と地域に密着した医療に携わる。