妊娠中にうなぎを食べてもいい?
夏バテの予防効果もあるといわれる栄養素の高いうなぎを食べたくなる妊婦さんも多いですが、過剰摂取することでおなかの中の赤ちゃんや母体に影響が出る可能性があるため、少量であれば問題ないとされていますが、妊娠中はできるだけ食べないようにするのがよいと言われています。
うなぎには次のような栄養素が含まれています。
■うなぎに含まれる栄養素(可食部100gあたりの摂取量)
妊娠中に控えた方がよいとされているうなぎは、ビタミン群や不足しがちなミネラルが豊富です。
・DHAやEPAを含む脂質(19.3g)
・カルシウム(130mg)
・ナトリウム(74mg)
・亜鉛(1.4mg)
・ビタミンA(4800μg)
・ビタミンB1(0.37mg)
・ビタミンB2(0.48mg)
・ビタミンE(7.5mg)
・ビタミンD(18μg)
・葉酸(14μg)
※参考:農林水産省『aff(あふ)16年7月号』(特集2 鰻(1))、文部科学省「食品成分データベース ビタミン」
妊娠中にうなぎを控えた方がよい理由
妊娠中は食べないようにするのがよいと言われているうなぎですが、控えるべき理由は次の理由からです。
■ビタミンAの過剰摂取がよくない
ビタミンAには、動物性食品に多い「レチノール」と植物性食品に多い「β-カロテン」などの種類があります。ビタミンAが欠乏すると、乳幼児の場合、失明の可能性があります。
成人の場合も、暗順応障害が生じて夜盲症になったり、皮膚の乾燥や角質化したりする変化が生じるといわれているため、欠乏しない程度に摂取することが大切です。
ただ、うなぎに含まれるビタミンAは、動物性食品に多い「レチノール」という種類です。レチノールは、妊娠中に過剰に摂取すると先天異常のリスクが高くなるため、摂取量には注意が必要となります。
元々、健康やお肌のためにと、ビタミン系のサプリメントの内服をしている人も注意です。特に、妊娠12週未満のビタミンAの過剰摂取は、ビタミンAを過剰に摂取していない妊婦さんと比べると、水頭症や口蓋裂といった胎児奇形を起こす可能性が約3.5倍になるという報告があります。したがって、妊娠初期は特に控えた方がよいでしょう。
<鰻のレチノール量の目安>(100gあたり)
・鰻の蒲焼き 1,500μgRE ※REはレチノール当量
※参考:食品安全委員会 「ビタミンAの過剰摂取による影響」、ベビーカレンダー「妊娠期の栄養素について」
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※参考: 基礎知識(妊娠中)「妊婦さんは鰻を食べてもよい?鰻の栄養素とおなかの赤ちゃんへの影響について」より【監修者:看護師 しらいし ゆみか】
配信: ベビーカレンダー(レシピ)
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