他の子と差をつける夏休みの過ごさせ方とは?

第1回 夏休みで差をつける! 1カ月の有意義な過ごし方
子どもたちの夏休みもそろそろ折り返し地点。遊び疲れも出る頃合いだけに、毎日ボーッと過ごしてしまいがちです。

しかし、それではあまりにもったいない。なぜなら夏休みこそ、学期中にはなかなかできない家庭教育に、親子でじっくり取り組むチャンスだからです。

この期間をいかに有意義に過ごすかは、子どもの成長に大きな影響を与えるはず。そこで、20年間にわたり小学生を指導してきた鈴木邦明教諭に、「周囲に差をつける夏休みの過ごし方」について教えてもらいました。

●なにはなくとも、まずは規則正しい生活を

有意義な夏休みを送るにあたり、最初に見直したいのは子どもの生活習慣。夜遅くまでゲームをして、生活リズムが乱れてはいないでしょうか? それではプラスどころか、二学期のスタートから大きくつまずいてしまう可能性もあると鈴木教諭はいいます。

「夏休みなどの長期休業期間中は、規則的な生活リズムが崩れてしまいがち。二学期が始まる頃には元に戻るだろうと思っていても、一度乱れた生活リズムを立て直すのは容易ではありません。なかにはそのまま不登校に陥ってしまうケースもあるのです」

特に気を付けたいのは、「暑いからといって家からはほとんど出ず、ひたすらゲームに興じる」、「ジャンクフード三昧の食生活」、「昼夜逆転の生活」の3点とのこと。

「夏休みだからといって、子どもに自由を与えすぎてはいけません。まずは、学校でコントロールできていた生活をしっかり守らせるよう、各家庭でしっかり指導していくことが重要。もし生活リズムが乱れている場合は、残りの休みを使ってしっかり軌道修正しましょう。差をつける云々の前に、まずはそこがスタートであると心得たいですね」(鈴木教諭、以下同)

●学習面と精神面、両方の成長を促すには?

では、「規則正しい生活」という前提をクリアできたら、次は何をすべきなのでしょうか? 

「まずは学習面。特に小学校の低学年では、親がしっかりサポートしながら基礎・基本の反復を意識することが大切です。具体的には、字を書くこと、基礎的な計算などを徹底することが望ましいでしょう。ここでみっちり基礎学力を養っておくと、二学期以降だけでなく、その後も同級生との差が大きく広がる可能性があります」

他の子と差をつける夏休みの過ごさせ方とは?

また、親子がたっぷり時間をかけて向き合えるこの時期は、子どもに計画性や実行力を身につけさせる絶好の機会でもあるようです。

「重要なのはスケジュール通りに物事を進めるクセをしっかりつけさせること。ただ、漫然と学ばせるのではなく、最初に『いつまでに』『何を終わらせるか』という計画を立て、その計画に沿って学習に取り組ませていくといいでしょう」

子どもの成長のために欠かせない夏休み。鈴木教諭のアドバイスに従って、残り3週間を子どもにとって有意義な時間になるよう工夫していきましょう。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)

お話をお聞きした人

鈴木邦明
鈴木邦明
神奈川県、埼玉県において小学校の教員として20年間勤務。その間、「心と体の健康」をテーマに実践的な研究に取り組み、論文や教育関係のコラムの執筆などを行う。平成27年4月からは、放送大学大学院にて健康教育についてさらに研究を進める予定。
神奈川県、埼玉県において小学校の教員として20年間勤務。その間、「心と体の健康」をテーマに実践的な研究に取り組み、論文や教育関係のコラムの執筆などを行う。平成27年4月からは、放送大学大学院にて健康教育についてさらに研究を進める予定。