夏休みならではの知と感性の伸ばし方

第2回 夏休みで差をつける! 1カ月の有意義な過ごし方
40日間の長期にわたる小学生の夏休み。時間がたっぷりあるだけに、普段は学べないことを学び、なかなか触れられないものに触れるチャンスでもあります。

そんな、夏休みだからこそできる「子どもの知力や感性の磨き方」について、小学校教育に20年間携わる鈴木邦明教諭に話を聞きました。

●授業ではできないことをとことんやる

子どもは好奇心の塊といってもいいくらい、身の回りの様々な事柄に興味を持つものです。そこで、時間がある夏休みだからこそ「何かをとことん追求してみる」ことで、貴重な経験が得られると鈴木教諭はいいます。

「子どもが興味関心を持っているけれど、学校に通いながらだと納得いくまで探求できないようなことを、夏休みなどの長期休暇を利用してじっくりやらせてみてはいかがでしょう? 

たとえば、虫が好きなお子さんなら、一日がかりで森で虫を探す、機械作りに関心があるようだったら、ロボットなど大がかりなものを作ってみる、絵が好きなら大きなサイズの絵を描いてみる。大事なのは中途半端に終わらせるのではなく、納得できるまで力を出すということ。あれもこれもではなく、ひとつでいいので時間をかけて体験させてみることで知力や根気が身につき、さらには、一生の思い出にもなります」(鈴木教諭、以下同)

夏休みならではの知と感性の伸ばし方

●夏休み期間限定の子ども向けイベントも活用

また、読書をしたり、イベントに参加したりすることも、子どもの知力を育むうえでおすすめだといいます。

「読書をするときには、『多種多読』を促してあげましょう。たとえば、小説などの物語からは人の思いや感情を知ることができますし、自然科学に関する本からは科学的な事象を学べます。まずは、偏りなく色々な本に触れさせるということを心掛けるといいと思います。

また、夏休みは博物館や美術館などで、子どもの興味関心を高めるようなイベントが多数実施されていますので、子どもに参加してみたいものを聞きながら、色々と調べてみることをおすすめします。自由研究や創意工夫できる工作などと関連しているイベントなら、なお良いでしょう」

子どもが学ぶことへの意欲を高めることができるのも、時間にゆとりがある夏休みならでは。子どもの関心を引き出し、高めるチャンスを与えてあげましょう。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)

お話をお聞きした人

鈴木邦明
鈴木邦明
神奈川県、埼玉県において小学校の教員として20年間勤務。その間、「心と体の健康」をテーマに実践的な研究に取り組み、論文や教育関係のコラムの執筆などを行う。平成27年4月からは、放送大学大学院にて健康教育についてさらに研究を進める予定。
神奈川県、埼玉県において小学校の教員として20年間勤務。その間、「心と体の健康」をテーマに実践的な研究に取り組み、論文や教育関係のコラムの執筆などを行う。平成27年4月からは、放送大学大学院にて健康教育についてさらに研究を進める予定。