●親がすべてを管理し過ぎないこと
まず、鈴木教諭は、「接する機会が多いからといって、過度に世話を焼き過ぎるのは禁物です」とアドバイスをおくります。
「夏休みなどの長期休業中は、親がつきっきりで子どもの面倒を見ることができます。ただし、あまり手取り足取り指示するのはよくありません。仮に親が子どもの生活や学習のやり方などを全て決めてしまった場合、確かに物事は効率よく進みますが、失敗をすることは少なくなるでしょう。そうすると、子どもは“間違える”という経験をしないため、失敗するからこそ得られる学びも少なくなってしまうのです。
そのため、低学年から適度な距離感を図りつつ、学年が上がると同時に何事も子ども自身に考えさせ、決めさせていくようにして、自立を促すことが重要です」(鈴木教諭、以下同)
●自立に向けたトレーニングが子どもを成長させる
過度な世話焼きがNGとはいえ、一方で親子の信頼関係を深めるための会話は積極的にするべきだと、鈴木教諭は話します。
「夏休みは時間に少し余裕があることから、親子の信頼関係を深めるチャンスとなります。親子の関わりは、“心の土台”を整えるためにも大切なこと。夏休みを利用してクラスや友だち、そして将来について、時間をかけてじっくり会話をしてみることが、心の土台作りに欠かせないと思います。
お父さんもお母さんも忙しい日々を過ごしているので、なかなか時間を作るのは難しいかもしれませんが、子どもの長期休暇のときは、しっかり関わる時間を作るということを念頭に置いてスケジュールを組んでみることをおすすめします」
親子関係を深めるチャンスでもある夏休み。「過干渉になり過ぎない」「子ども声にしっかり耳を傾ける」、この二点を心に留めて接することが大切なのかもしれません。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)