出産の入院準備はいつから?必要なものや準備のポイントも

第31回 知っておきたいママ情報
出産の入院準備を始める時期や、持ち物に悩むママは多いです。旅行とは違い、持っていくものの種類が多いので、チェック漏れがないようにしましょう。必要な持ち物のリストや、スムーズに準備するためのポイントを紹介します。

出産の入院準備はいつからする?

臨月が近くなると必要になるのが、出産の入院準備です。いつごろから準備を始めればよいのか、確認しておきましょう。

早めに準備しておくと安心

出産までまだまだ時間があると思っても、予期せぬ事態に備えて、準備は早めにしておく方が安心です。

一般的には陣痛が始まってから入院になりますが、出産が差し迫った状態では、スムーズに準備できません。妊娠28週ごろから始めて、臨月に入る前の「妊娠35週まで」には、準備を済ませておきましょう。

出産は予定日通りにいかない場合もあります。必要最低限のものだけでも、早めに用意しておくことが大切です。

入院に必要なものリスト

出産が近づいてから慌てないように、入院に必要なもののリストをチェックしておきましょう。入院から退院までに必要なものを紹介します。

入院手続きに必要なもの

入院の手続きには、以下のものが必要となります。

・病院の診察券
・健康保険証
・母子手帳
・印鑑

毎月の妊婦健診など、入院前の段階でも使用するものばかりです。普段からポーチなどに入れ、ひとつにまとめておくとよいでしょう。

緊急時もこれらだけは持って出られるように、準備しておくことをおすすめします。

入院中に必要なもの

病院から「入院時に必要な持ち物のリスト」をもらっている場合、照らし合わせながら準備しましょう。一般的には以下のようなものを準備することが多いようです。

・前開きのパジャマ(3枚程度)
・産褥ショーツ(3枚程度)
・お産パッド(1パック)
・授乳用ブラジャー(3枚程度)
・母乳パッド
・タオル類
・ガーゼ(赤ちゃん用)
・室内履き
・歯磨きセットや基礎化粧品

お産パッドは出産直後に使用するアイテムで、悪露(おろ)で衣類が汚れることを防ぐために用意します。また、病院によっては食事用のマグカップや、お箸などが必要な場合もあるでしょう。

入院期間は個人差がありますが、初めての出産の場合で1週間程度です。帝王切開の場合、回復までに時間がかかるので、10日間程度必要となります。入院期間も考慮して、持っていくものの量を調整しましょう。

あると便利なもの

出産の入院中、できるだけ快適に過ごしたい人は、あると便利なものもチェックしましょう。

・靴下やカーディガン
・うちわ
・曲がるストローやストローキャップ
・軽食
・厚手のタオルやハンカチ
・ドーナツクッション
・むくみ解消グッズ

病室内は細かい室温調整ができないこともあるので、夏場でも何か羽織れるものがあると安心です。お産時の暑さを和らげるものもあるとよいでしょう。

陣痛が来ると体を起こすのもつらいので、横になったままでも飲料を口にできるように曲がるストローや、ペットボトル用のストローキャップがあると活躍します。出産時のエネルギー補給として、陣痛の合間に食べられるゼリー飲料なども用意しておきましょう。

厚手のタオルやハンカチがあると、汗を拭いたり陣痛に耐えるときに握ったりと、何かと役に立ちます。ドーナツクッションは、出産後に会陰切開の痛みを和らげてくれるため、あると安心です。

退院時に必要なもの

退院時に必要になるものをチェックしましょう。

・おくるみ
・ベビーウェアや赤ちゃんの肌着
・おむつ
・ベビーキャリーやスリングなど
・チャイルドシート(車の場合)
・分娩・入院費用

裸で連れて帰るわけにはいかないので、赤ちゃんの衣類は忘れずに用意しておきます。ベビーキャリーやスリングは、赤ちゃんを運ぶために使うものです。タクシーや車までの移動時に重宝するでしょう。

車で赤ちゃんを連れ帰る場合、チャイルドシートが必要になります。分娩や入院にかかる費用は退院の前日に分かるので、家族に持って来てもらうと安心です。

退院時のママと赤ちゃんの服装

退院時に着る服は、妊娠中と同じでよいのでしょうか。いざとなると、何を着ればよいのか迷う人も多いものです。ママと赤ちゃん、それぞれの服装のポイントを見ていきましょう。

ママの服装

ママの服装は、入院時とは違い「赤ちゃんを連れて帰ること」を考えた服装にすることがポイントです。着脱や授乳がしやすい「前開きの服」を用意しましょう。

荷物を減らしたい場合は、入院時に着て来た服を着て帰る方法もあります。産後すぐの体には、動きやすく締め付けが少ない服の方が楽チンです。

靴は脱ぎ履きのしやすい、カジュアルな靴を選ぶとよいでしょう。ヒールが高い靴は転倒のリスクがあるので、簡単に履けるローヒールシューズや、スニーカーなどがおすすめです。

赤ちゃんの服装

「おくるみ」があると、赤ちゃんを包んであげられます。少ししっかりめに包むと、お腹の中にいたときに近い状態になるので、安心する赤ちゃんも少なくありません。

おくるみで包むと抱っこしやすく、肌寒い季節は防寒にもなります。様々な種類がありますが、赤ちゃんの肌に優しい、柔らかな綿素材やガーゼ素材のものがおすすめです。

また、生まれたばかりの赤ちゃんの頭部はデリケートなので、帽子もあるとよいでしょう。頭部を守れるだけでなく、かわいい帽子があると写真映えしますし、ママの気分も上がります。余裕があれば用意しておきましょう。

入院準備をするときのポイント

入院に必要なものを準備する際、チェックしたいポイントがあります。効率よく必要なものを準備するためのポイントを見ていきましょう。

病院で用意されるものを確認する

入院中に必要なもののなかには、病院側が用意してくれるものもありますが、病院によって支給されるものが違います。

おっぱいを消毒するときに必要な「清浄綿」や、パッドなどの消耗品は「入院セット」などの名称で、用意してもらえることが多いでしょう。

しかし、量が少ない場合もあるので、予備として持っていっても問題ありません。退院後もしばらくは必要になるので、無駄になることはないでしょう。

病院で用意してもらえるものの内容が分からない場合、事前に確認することをおすすめします。

陣痛バッグがあると便利

陣痛のときに使うものと、入院に必要な着替え類などで、バッグを分けておくと便利です。陣痛バッグの中には、陣痛対策に使用するアイテムと、出産直後に必要なアイテムを入れておきましょう。

もし、家族が近くにいないときに陣痛が来た場合、痛みに耐えながら1人で大きな荷物を持って移動するのは大変ですが、陣痛バッグだけなら持って出やすいはずです。

入院用のバッグは後から家族に持ってきてもらっても、十分に間に合います。バッグをふたつに分けることで、中に何が入っているのか見分けやすくなるところもメリットです。

持ち物以外に準備すること

出産の入院準備に必要な持ち物以外にも、準備しておきたいことがあります。入院前に準備しておきたいことを、具体的に見ていきましょう。

連絡先のリストを作る

入院をする前に、連絡先のリストをあらかじめ作っておきましょう。

身内の連絡先だけでなく「病院」や「タクシー会社」などの連絡先も、忘れずに登録しておきます。どんなタイミングで陣痛が来るかは分かりません。病院の夜間・休日用の連絡先も、チェックしておくと安心です。

連絡先は念のため、家族とも共有できる形でリスト化しておきます。家族用のメモを用意しておくか、スマホのアプリなどで共有しましょう。

ママが1人で病院へ向かわなければならない場合、出産に関連するサービスが充実しているタクシーを、事前登録しておく方法もおすすめです。

自分で車を運転しようと考えているママもいるかもしれませんが、出産間近になると運転できなくなる可能性もあります。いざというときのために連絡先をチェックしておきましょう。

陣痛が来たときの対応を考える

出産が近づくと陣痛が起きます。時間が経つにつれて陣痛が強くなり、起こる間隔が短くなっていくことが特徴です。

強い痛みが規則正しく10分おきに来るようになったら、病院に連絡をします。ママの状態に合わせ、どうしたらよいか指示をもらえるでしょう。

病院が近くにある場合、陣痛が「10~15分間隔」になったら来るようにと言われることが多いようです。陣痛が来たと思ったら、冷静に「いつごろから何分間隔で来ているのか」をメモし、説明できるようにしておきましょう。

パパにしてほしいことを伝える

出産後は体調がすぐに戻らない上、慣れない赤ちゃんの世話もあります。パパにやってもらうことをリストアップして、任せてしまいましょう。

退院時に必要なものを持って来てもらうだけでなく、家の掃除や赤ちゃんの部屋の準備などをお願いするママも多くいます。

必要なものを用意してもらえるように、あらかじめ「ベビー用品売り場」の場所も教えておくとよいでしょう。出産後、すぐに必要になる各種手続きもお願いしておきます。

産後に必要な手続きを確認する

赤ちゃんの誕生に伴い、市役所または加入している健康保険に下記の手続きが必要になります。

・出生届(出生日を入れて14日以内)
・児童手当(出産の翌日から15日以内)
・赤ちゃんの健康保険加入(1カ月健診までに必要)
・乳幼児医療費助成(健康保険証が届いたらすみやかに)
・出産育児一時金(受取方法によって異なる)

帝王切開や吸引分娩などが必要になり、高額の医療費を支払わなければならない場合は「高額療養費の助成」も受けられます。保険診療の自己負担額が自己負担限度額を超える場合、超えた分の金額が戻る制度です。限度額は所得に応じて定められています。

申請方法は加入している健康保険に問い合わせましょう。入院前に申請することも可能で、あらかじめ「限度額適用認定証」を発行しておいてもらうと、退院時の支払いが自己負担額のみで済みます。

まとめ

出産の入院準備は妊娠35週までにしますが、思いがけずに入院が早まることもあるため、早めに準備しておくと安心です。動きやすいうちに、できることから準備を始めた方が、気持ちの余裕を持てるでしょう。

入院時に必要なものと、退院時に必要なものは分けて準備すると、後から家族に持って来てもらうこともできます。また、陣痛がつらいときに備えたアイテムを別にまとめておけば、必要なものをすぐに取り出せるはずです。

忘れ物がないように、病院からもらったリストと見比べながら、必要なものを準備していきましょう。