子どもに「どうして勉強するの?」と聞かれたら…!?

第1回 子どもに”勉強すること”の意義をうまく伝えるには!?
子どもたちに、「ママ~どうして勉強するの?」と聞かれ、返答に困る親も少なくないのでは!? 掛け算はともかく、分数や化学、歴史など…社会に出て、あまり活躍しない知識もありそうだが、これからの未来を切り開いていく子どもたちに、親としてどんなアドバイスをおくればいいのか? 「V-net教育相談事務所」を主宰する松永暢史氏に聞いた。

●将来『自由』を手に入れるために勉強する

「その子が持っている性質や成長過程にもよるので、一概に“こうすればいい”というアドバイスはしにくいのですが、一般的には“自分を高めて好きな仕事に就くため、将来報酬を得て、『自由』を手に入れるために勉強するんだよ”と教えるのが無難でしょう。その上で、“世の中には嘘や詐欺があふれている。だからこそ、そんな局面でだまされない大人になるために賢くなるんだよ”と伝える。“学びを通して、嘘を見破る論理的思考力を身につけないと、君たちは人生で多大な損をすることになるんだよ”と教えれば、子どもは損得という感情には敏感なので、頭でイメージしやすいかもしれません」(松永氏 以下同)

「そもそも、子どもにこんな質問をされる時点で勉強への導き方を誤っている。でもその失敗は、今からでも取り戻すことができる」と松永氏は語る。

「子どもには、みんな平等に賢くなるチャンスが与えられているのです。思い立ったら後回しにするのではなく、ただちに今すぐやる。何かを思いつき、今すぐやることこそが“賢くなる最大のチャンス”なのです。今やれることを“面倒くさい!”と後回しにするのは、賢くなるチャンスを自ら放棄していると言えます。“この続きを明日やろう!”はダメなのです。調子に乗ってきて、頭がいい状態のときに、次々と思いついたことをやっていく…この習慣を身につけることが何より大切です」

子どもに「どうして勉強するの?」と聞かれたら…!?

せっかく賢くなろうとした頭をほっぽり出して、テレビやゲームにうつつをぬかす…そうしてしまうのはなぜなのか? それは子どもたちが「賢くなる瞬間」を知らないからだと語る。

「スポーツでも勉強でも、小さい頃から集中して“楽しくてしかたがない”状態を作れる子は、将来賢い人になると言えるでしょう。子どもが小さいうち、賢くなる瞬間を体感できるまでは、“ほら、今思いついたこの瞬間に、頭が賢くなるんだよ。頭がいい状態に勉強すると、さらに身につくんだよ”と教えてあげてもよいかもしれません」

集中して、次々といろんな課題をこなせる子は、そんな愚問を思いつく暇もないはず。今からでもまだ間に合う! 親として勉強する意味を、そして賢くなるチャンスを子どもたちに教え、集中力、そして勉強の楽しさを体感させることが重要なのだ。
(取材・文/蓮池由美子)

お話をうかがった人

松永暢史
松永暢史
「V-net教育相談事務所」主宰
'57年、東京都生まれ。都立西高を経て、慶応大学文学部哲学科卒。受験プロ、教育環境設定コンサルタント、能力開発インストラクターとして子どもや親たちを指導している。主著に「男の子を伸ばす母親は、ここが違う!」「結婚できない男は、12歳までにつくられる」(ワニプラス新書)、「こんな働く母親が、子供を伸ばす!」(扶桑社)がある。
'57年、東京都生まれ。都立西高を経て、慶応大学文学部哲学科卒。受験プロ、教育環境設定コンサルタント、能力開発インストラクターとして子どもや親たちを指導している。主著に「男の子を伸ばす母親は、ここが違う!」「結婚できない男は、12歳までにつくられる」(ワニプラス新書)、「こんな働く母親が、子供を伸ばす!」(扶桑社)がある。