●一流私立中が欲しがるのは、“読書力”がある子
「勉強する大きな目的のひとつとして“将来、だまされない大人になる”ことが挙げられます。勉強によって国語力、論理的能力を身につけ、さらに数字にも強い大人は、迫りくる詐欺をイチ早く見抜き、危機回避することができます。愛する子どもたちには、損をしない人生を歩ませたいものです」(松永氏。以下同)
日本語の能力が高ければ、うさん臭い契約書にとどまらず、受験の時にもテストの嘘選択肢を見破ることができるという。
「しっかりとした大人へと成長を遂げれば、“だまされる対象”からも外れていくので、より困難にぶち当たる可能性は低くなると言えます。それと同時に、受験でも落とし穴を見抜く能力が発揮されるので、引っかかりやすい問題に惑わされる心配がありません」
そのためには、「何より読書が大切なのだ」と松永氏は語る。
「会社の社長がみな一様に話上手なのは、読書をしているから。偉人たちの教えを学び、知識を得て、自分の言葉に置き換える。金融会社の社員でも同じことで、話して人を説得させることができなければ、いい成績を上げることはできません。小さい頃から、テレビやゲームなどで受け身の姿勢をなるべく作らず、外遊びや読書をさせ、自ら学ぶ体験をとことんさせる。どんな人間でも、その努力を怠れば、書くことも、ましては話して人を説得することもできないはずです」
一流の私立中は、“読書力がある子”を欲しがるという。もしも本に興味がなければ、子どもが好きなものを1冊選んで、繰り返し繰り返ししつこく読むのも一手! だまされない大人にする=人生で成功する大人にするために、ママが今からできることはまだまだあるはずだ。
(取材・文/蓮池由美子)
お話をうかがった人
松永暢史
'57年、東京都生まれ。都立西高を経て、慶応大学文学部哲学科卒。受験プロ、教育環境設定コンサルタント、能力開発インストラクターとして子どもや親たちを指導している。主著に「男の子を伸ばす母親は、ここが違う!」「結婚できない男は、12歳までにつくられる」(ワニプラス新書)、「こんな働く母親が、子供を伸ばす!」(扶桑社)がある。
'57年、東京都生まれ。都立西高を経て、慶応大学文学部哲学科卒。受験プロ、教育環境設定コンサルタント、能力開発インストラクターとして子どもや親たちを指導している。主著に「男の子を伸ばす母親は、ここが違う!」「結婚できない男は、12歳までにつくられる」(ワニプラス新書)、「こんな働く母親が、子供を伸ばす!」(扶桑社)がある。