●老後に向けて夫婦で話し合う姿勢が大事
藤川さんによると、老後にゆとりある生活を送っている人には共通点があるといいます。
「それは、夫婦で家計の目標を立て、しっかり共有しているということですね。たとえば、子どもを何人産むとか、家や車をどうするかなど、資金が必要なことについてしっかり話し合っていますよね。会社でいうところの、経営目標を夫婦でしっかり立てられている状態です。
共稼ぎで収入が多い夫婦だと、『自分が稼いだお金は自分のもの』という考え方に陥りがち。しかし、老後に備えてお金を貯めようと思ったら、効率的に収支を管理していくことが必要なんです」(藤川さん、以下同)
お金の話が苦手で、つい喧嘩になってしまうという夫婦も多いかもしれません。しかし、生涯にわたる夫婦円満のためには、あえて耳の痛い話を共有し、老後の糧をともに築き上げる姿勢がまずは必要なのかもしれません。
●家計が黒字だからといって安心しない
上記をふまえ、家計を管理するにあたっては「長期的な視点に立つ」ことが重要と、藤川さんはアドバイスします。
「今現在の収支がプラスだったらOKという考えは危険です。黒字だからとつい安心してしまいがちですが、長期的な計画から逆算すると、将来お金が足りなくなってしまうこともあり得ます。重要なのは『ライフプランを持つこと』です。
以前、雑誌『ESSE』のアンケートで、ライフプランを持っている家庭と持っていない家庭を比較した場合に貯蓄額が倍も違うという、驚くべき結果が出ていました。つまり、やみくもにお金を貯めるのではなくて、『何のために貯めるのか』というのをしっかり把握することが必要。老後の年金で貯金をしている夫婦もいますが、やはり現役の頃から資金のやりくりも計画的に行うべきです」
ちなみに、以下は「老後貧乏」に陥る危険が高いタイプかどうかを見分けるチェックリスト。もし「はい」が3つ以上ある場合は、早急にライフプランを立て、家計を見直す必要があるとのことです。
□10年後といった将来の自分や家族について想像したことがない
□贅沢しているつもりはないが、なぜかお金が貯まらない
□生命保険に勧められるがまま加入した
□なかなか自分では決断することができないタイプだ
□家計が苦しくなると、まずは目の前の節約から手をつける
人生の晩年は誰しもが悠悠自適に暮らしたいもの。そのためにも、まずは夫婦で家計についてしっかり話し合うことから始めてみてはいかがでしょう。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)