●戦わずして自由は得られない
「うちの子どもたちは、2人とも公立の学校に通っているので、いわゆるドラマに出てくるような恐ろしい“ママ友トラブル”は身近にないんですよ。嫁はんの社交性も高くてママ友ネットワークも広いので、こういう仕事をしている僕としては、ずいぶん助かっています。でも最近は、芸能界でもママ友トラブルってよく小耳に挟みますし、きっとどんな場所でも、嫌味なママとかおって、家庭自慢、子ども自慢、夫自慢とかあると思うんですよ。僕は、何かにつけて鬱陶しいと感じた時は、“戦争時代を生き抜いた人たちのことを考えたら、こんなストレスくらいええやんけ!”と思うようにしているので、悩めるママたちにもぜひ提唱したい(笑)」
彼らしく、バッサリと斬り倒してくれたが(笑)。実際は、そうなかなかうまく割り切れないのがママ友=女の世界。その土地に家を買い、終わりなき“ママ友ループ”に巻き込まれるママたちに、ぜひ小籔流のアドバイスを!
「何に関してもそうですが、“戦わずして自由は得られない”と思います。“ママ友鬱陶しいし、PTAでめっちゃこき使ってくる!”裏で陰口叩くのではなく、正々堂々“あなたと関わりたくない”という態度を示し、その後仲間はずれになっても戦う勇気があるかどうか。思い悩んで眠れぬ日を過ごすくらいなら、子どものため、自分のためと思って、損してもしかたがない! いっそ、家を売って転校してやり直すとか…まぁ、現実的にはお金の問題とかいろいろあるので、あくまで理想論ではありますが。そういう戦いをするのか、戦いを避けて甘んじて受け入れるか、何かうまいこと根回しするかを選ばなければ前には進まない。割とみんな、戦わずして自由を欲しがるからそれは都合がいい話やないですか?(笑)」
「人生なんて、鬱陶しいことの連続ですよ」と語る小籔。
「トラブルに巻き込まれる人って、自分が悲劇のヒロインみたいな、主観でしか物事を見られないケースが多い。ママだって、将来社会に出ていく子どもたちと同じ、ジャングルのなかにおるんですから。蛇みたいなママ友が咬んでくることだってあるでしょう。ジャングルにおったら蚊に刺されて腫れることだってあるんです(笑)。“この世は修行!”と思えば、きっとママ友のいじめも克服できるはず。ただ、最終的には逃げたらいいと思います。ママが頭おかしなってまで、その土地で我慢して子育てする必要はないと思うから…」
(取材・文/蓮池由美子 撮影/田子芙蓉)