上の子に不満を感じさせないために、親はきょうだいゲンカの後、下の子にどう接するべき? NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事の菅原裕子さんは言う。
「ケガなどの心配がないうちは、親は口出しせずに自分たちで解決させましょう。でも、下の子が泣いて訴えてくるパターンが多いですよね? そういう場合は、『ヨシヨシ』と言うだけで良いのです」(菅原さん 以下同)
言葉が発達していないころは、抱いて「ヨシヨシ」だけで良いそう。また、言葉が出てきたら、とにかく話を聞いてあげることが大切なのだとか。
「ただ聞いてあげるだけ、『そうかそうか』『お兄ちゃんが嫌だったんだね』と、本人が言うことを繰り返してあげるだけで十分です。一言でも『それはお兄ちゃんが悪かったね』などと言ってしまうと、お兄ちゃんとしては『僕は悪くない! あいつが~』と始まってしまいます」
●きょうだいゲンカに親の鶴の一声は悪影響を及ぼすことも…
実際、上の子が悪かった場合でも、下の子の前でそれを言うのはNG。また、上の子を呼んで下の子の前で怒るのは厳禁だそう。「上を立てておく」ことで、下は上を頼るようになり、上も下をかわいがる流れがあるからだという。
さらに、下の子がある程度話がわかるようになったら、「何がほしかったの?」などと聞いてあげると良いそう。
「『お兄ちゃんに、くださいってお願いした?』などと問いかけてみましょう。それで下の子に自分で言いに行かせて、それでもダメなら『お兄ちゃんが終わるまで待とうよ』と、上の子に聞こえるように伝える。すると、上の子もダメとは言わなくなりますよ」
それでもダメなときは、下の子に「じゃあ、お母さんと一緒に遊ぼうよ」「そうだ! おやつにしよう」などと、声をかけて、気をそらすことがオススメだ。
「大切なのは、親が上の子に直接『貸してあげなさい』などと言わないこと。親の鶴の一声はケンカを簡単に終わらせることができるようでいて、上の子の不満になります」
育児や家事で忙しいときに、子どものきょうだいゲンカが起こると、イライラすることが多々あるもの。面倒くささに、早く終わらせることばかり考えてしまうが、「将来のきょうだい仲」を考え、じっくり付き合うことが大切なのかも。
(田幸和歌子+ノオト)