意外と知らない「おりもの」のキホン

第3回 人には聞けない「デリケートゾーン」問題
生理のことは学ぶ機会もあるし、誰でもそれなりに知っているのに、実は意外と知識がない「おりもの」のこと。おりものが少しあるだけで、「異常ではないか」「病気では?」などと不安になってしまう人もいるよう。

そもそも「おりもの」って、どんなもの? 正常なおりものと、そうでないものの見分け方は?  婦人科形成「なおえビューティークリニック」の喜田直江院長に聞いた。

「おりものは誰にでもあるもの。膣や子宮頚部からの分泌物や、子宮や膣からはがれた古い細胞など、その全部をひっくるめたもののことです」(喜田先生 以下同)

通常は「透明から、やや白っぽい色」で、下着についたものなど、時間が経つと、少し黄色くなるそう。また、少し粘り気があり、においは少し酸っぱいという。

「おりものはホルモンの影響を受けるため、生理周期によって状態が変わります。排卵前には、精子をつかまえるために、通常よりネバネバし、量も増えます。また、においも少し強くなります」

本を読む女性

●おりものは生理周期で変化を見極めよう

また、おりものは、出産前後で量は変わらず、変化が現れるのは、ホルモンが減って膣が乾いてくる更年期以降だそう。

「おりものが異常かどうかは、生理周期による変化の様子をみているとわかります。通常の周期の変化に比べて、急激に量が増えたり、色が黄色くなったり、においが強くなるといった場合は病気が疑われるため、受診したほうが良いでしょう」

また、おりものの量には個人差があるが、「おりものシート」はいつ使うものなのだろうか。そもそもみんな使っているの?

「おりものシートは、最近使用する人が増えていますね。不快感や臭いなどの対策で使う方が多いので、生理前後などの使用が多いかと思いますが、常に使っていても特に問題はありません」

他人と比較できるものではないだけに、「正常かどうか」は気になるが、色や量、においにはもともと個人差があるもの。そのため、量や色、においの急激な変化をまず見逃さないこと。生理周期の自然な変化ではなく、「いつもと違う」と感じたら、早めに婦人科に相談してみよう。
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

喜田直江院長
喜田直江院長
なおえビューティークリニック
京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。大手美容外科にて美容外科・美容皮膚科全般を習得。平成23年、なおえビューティークリニック開院。
京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。大手美容外科にて美容外科・美容皮膚科全般を習得。平成23年、なおえビューティークリニック開院。