ちょっと待って!離乳食「うちの子〇〇!」はママのカン違いかも!?

ちょっと待って!離乳食「うちの子〇〇!」はママのカン違いかも!?

生後7・8カ月の赤ちゃんの離乳食に関して、お口の発達の観点からみる適切な進め方を日本歯科大学の田村先生にお話ししていただきました。離乳食はお口の発達をみながら進めるのが大切ですが、ママたちが誤った判断をしてしまうことも多いのだとか。次のステップへいく見極め方や理想の固さなども分かりやすく教えてくれました。

モグモグする、押しつぶす、ってどういうこと?

この時期の赤ちゃんは、5・6カ月のころの丸飲みとは違い、舌と上あごで食事を押しつぶす動きをするようになります。もし、お口に入れてすぐ飲み込んでいる場合は飲み込めているからOKなのではなく、まだ押しつぶすという動きがはじまっていないということになります。お口に食べ物が入ったあとに、何回かあごが動いていて時間をかけて舌でつぶそうと頑張っているかどうか、飲み込むだけの時期と違ってお口の中で少し食べ物が停滞している時間があるかを見てみてくださいね。

よくあるママのカン違い!「うちの子もう噛んでる!」

先ほどお伝えしたようにこの時期は離乳食を口に入れると、形の感じられるものを舌でつぶそうと、赤ちゃんのあごがモグモグと動くようになります。するとママたちは「もう噛めているのね」と思ってしまい、次のステップへ進もうと、少し料理のかたさやつぶつぶ感をアップさせてしまうことがあります。ですが押しつぶす動きと、噛んでいる動きというのは別モノです。誤った判断をしてしまわないよう注意しましょう。

見極めポイントはココ!

まず噛むという動作は、食べ物を口に入れたとき、左か右のどちらかに舌が食べ物を寄せてモグモグ・カミカミします。そのため、もし左右両方が均等に膨らんでモグモグしているようでしたら、それは噛んでいるのではなく、舌で押しつぶしているということになります。この違いはとても分かりづらいので、あごが動いていると噛んでいると思ってしまうのかなと思います。自分を振り返ってみましょう。ごくまれに両噛みの方もいらっしゃいますが、多くの人は右か左どちらかで噛んでいるはずです。

この見極めを誤ってしまい、まだ舌で押しつぶしている段階なのに噛んでいると思って次のステップへ進んでしまったがために、赤ちゃんが離乳食を食べなくなった、というケースもあるので注意しましょう。もちろん、月齢表示で進めていくだけなのもNGです。きちんとお口の発達に合わせてあげないと離乳食はうまくいかなくなってしまいます。

なかなか食べてくれない……どうしたら?

液状の中に形のあるものが混ざっているような食べ物が苦手な赤ちゃんは多いです。でも7・8カ月ごろになると舌でつぶす練習をしなくてはならないので、そのような食事も必要ですよね。そこで、苦手な赤ちゃんには少しとろっとしたとろみのなかに固形のものがあるような状態にしてあげるのがおすすめです。通常、噛んだものを飲み込む際には、食べ物をだ液でコーティングする必要がありますが、この時期の赤ちゃんはまだ噛むという動作はしていないため、十分にだ液が分泌されません。そこでだ液の代わりにとろみをつけてあげると食べやすくなります。

また、舌での押しつぶしをさせるには、飲みこむだけにならないように少し形があるけどやわらかい、という形態にするのが理想です。形をとらえることができれば舌でつぶせるので、押しつぶすという動きを引き出しやすくなるからです。たとえばにんじんなどの根菜類をすごくやわらかくした煮物などもいいと思います。全部ではなくてもよいですが、そういうメニューも取り入れて舌での押しつぶしの練習をうながしましょう。

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