そんな本音を打ち明けてくれたのは、漫画家・イラストレーターで、現在は小学2年生となった双子姉妹のママである三豊ちぇりさん。
初めての妊娠で双子を授かった出産・育児体験ルポに、120人の双子ママの本音をたっぷり盛り込んだコミックエッセイ『双子の親になりました』。その著者である三豊さんに、双子ママを代表しての育児の悩み、そして喜びについて話を聞いた。
●苦労は10倍!? 双子育ての大変だったこと
「いま振り返ると、外出できるようになるまでの最初の数カ月間が一番大変だった気がします。一カ月の育休を取って一緒に双子のお世話をしていた夫が会社復帰する日は、『置いていかないで~』と泣きました(笑)」(三豊さん 以下同)
「あまりに壮絶すぎる日々で、最初の一カ月の記憶がおぼろげ」と語る双子ママは多い。三豊さんも双子を連れて外出できるようになっても、最初のうちはなかなか行動範囲を広げられなかったそう。
「赤ちゃん2人を連れて行動するのは大変。ベビースイミングや体操教室など、赤ちゃんのうちだからこそ楽しめる親子イベントや教室に全然参加できなかったのが残念でしたね」
●ペアで可愛さ倍増! 双子ならではのお楽しみ
だが成長とともに、徐々に双子ならではのお楽しみポイントも増えてくる。
「それぞれに表情が出てくるようになり、双子ならではのやりとりを見られたのが喜びでした。赤ちゃんが2人、『あー』『うー』と喃語(なんご)で話しながら笑い合っている姿のかわいさったら!」
そっくりな赤ちゃんたちが心を通わせていく様子を見ることができるのは、双子の親の特権。おすわりやハイハイができる月齢なると、笑顔でじゃれあう最高にかわいい双子デュオを見ることができる。
また、おそろいの服で双子ならではのペア感を演出するという楽しみも。スタイルから服・帽子まで全部おそろいにしたり、色違いでちょっぴり個性を出してみたり。双子のベビーウェア選びはファッション好きの双子ママにはたまらない喜びだ。
「服装だけでなく、双子の大きなベビーカーは目立つので、外出先でも知らない人に声をかけられるのがうれしかったですね。行く先々で元気をもらえました」
●双子にだけ聞こえていた不思議な声…?
最後に双子ならではの神秘的なエピソードをひとつ。
「双子が2歳だった冬の夕方、横並びでベビーカーに乗っていた2人が空の月を眺めながら、『お月さま、お話しなくなったね』『うん』という会話をしているのを聞いてびっくり。双子たちがおしゃべりするようになったら、お月さまはお話しなくなったのだそうです」
2人の耳には本当にお月さまの話し声が聞こえていたのかも? 2人分の育児の大変さは言うまでもないものの、大人が想像もつかない驚きや喜びを与えてくれるのも双子育児の醍醐味のようだ。双子のパパママはこっそり会話に耳を澄ましてみては?
(阿部花恵+ノオト)