だが、いざマタニティライフが始まってみれば、十月十日はあっという間に過ぎていく。産後、想像以上に外出がままならない状態になって初めて「妊娠中にあれをやっておけばよかった!」と悔やむママは少なくない。
双子の妊娠中に準備しておくといいこととは一体何だろう? 双子育児の実体験を描いたコミックエッセイ『双子の親になりました』の著者で漫画家・イラストレーターの三豊ちぇりさんに話を聞いた。
「多くの双子ママがそうだと思いますが、私の場合も産後は時間や体力にまったく余裕がなくなり、メールの返信さえできなくなりました」(三豊さん 以下同)
そんな三豊さんが、後輩ママたちに伝えたい「双子育ての準備」3カ条を次に紹介しよう。
その1 双子ママのネットワークを作る
「妊娠中に双子の親の会に顔を出しておいて、ママ友を作ればよかったなと後悔しています。やはりママ同士の会話でも双子だと驚かれることばかりなので、『共感し合える仲間がいればなあ』と育児中は何度も痛感しました」
最近では自治体で双子・三つ子ママ向けの集いを定期的に行っている自治体も増えている。「双子 ○○市(住んでいる市町村)」などでネット検索すれば、多胎ママ同士でつながれる場や情報掲示板が見つかるはず。
双子ママの知り合いができるのはもちろん、先輩ママから有益なアドバイスや育児グッズのおさがりをもらえることも。多胎児の妊娠がわかったら、まずは仲間探しから始めよう。
その2 育児グッズは必ずしも2人分なくていい
「生まれる前に育児グッズはすべて2人分そろえておきましたが、ふたつ同時に使わないものもたくさんありました。反対に、生活していくなかで買えばよかったと思うものもありました」
これは双子に限らないが、育児グッズは赤ちゃんの性質や好みによって役立つものと役立たないものが違ってくる。必ずしも一気に2人分をそろえる必要はないが、いざというときすぐ購入できるよう、近所で育児用品を販売している店、ベビーグッズを扱っているネットショップは必ずチェックしておこう。
とくに、双子の場合は使うオムツやおしりふきなど消耗品の使用量も2倍なので、新生児期はあっという間に1パック使いきってしまう。AmazonファミリーやLOHACOなど、便利なネットショップの会員登録は済ませておいて損はない。
その3 いつ管理入院してもいいよう心構えを
「多胎児妊娠は、切迫早産や尿路感染症、妊娠高血圧症候群などのトラブルが起きやすいため、管理入院になる妊婦さんも少なくありません。私の場合は幸い37週まで順調に乗り切ることができましたが、いつ入院になっても困らないよう、準備だけはしっかりしておきました」
病院や医師の方針によっても異なるが、多胎児妊娠の場合は、早産を防ぐための管理入院を勧める病院も多い。どんなに経過が順調でも、入院セットは旅行用バッグに詰めていざというときの用意をしておこう。
産後に必要となるネットワーク、赤ちゃん用品取扱店のリサーチ、そして入院というリスクへの備え。これから双子を出産予定のプレママは、最低でもこの3つの重要事項は頭に入れておくべし!
(阿部花恵+ノオト)